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マルボロマスターズ オランダ ザンドボード |
■プロローグ![]() |
![]() ザンドボードのサーキットは海岸沿いの砂地にあるので、コースサイドも土ではなく、全て砂で覆い尽くされている。そして海沿いなので当然風が強い。つまり、非常に埃っぽいサーキットなのだ。コースレイアウトはバラエティに富んでいてチャレンジングだ。ホームストレートもかなり長いので、オーバテイクシーンが期待できそう。不安なのは未知のBSタイヤくらいか。 琢磨は積極的に周回を重ねるが、コースを熟知するシェクターのタイムには届かず、2回のセッショントータルで6番手となった。優勝を目指すには今ひとつ不安の残るスタートとなった。 |
■8月5日 予選![]() 午後の予選は大方の予想通り、気温も上がり、風も強くなりタイムアップできる状況ではなくなってしまったので、琢磨は明日の決勝に照準を合わせて、セッティングを煮詰めることに専念した。 |
![]() 朝のウォームアップは使い古しのタイヤで走ったので、1分35秒328で10番手となったが、昨年の決勝でのファステストラップが1分35秒5前後だった事を考えれば、順当なタイム。トップのコシェの1分34秒300というタイムはまず決勝では不可能(おそらく少ない燃料で走っていたはず)だろうと私は読んでいた。 決勝はまず、4番グリッドのナレインのエンジンストールにより、20分程ディレイ。彼は最後尾スタートとなった。そして待ちに待った(僕も緊張で気分が悪くなった)で再スタートだったのだが、あろうことか、今度はなんと琢磨がストール!(この時、1コーナーで固唾を飲んで見守っていた日本人プレス達の落胆ぶりは凄まじかった。僕は猛烈な脱力感に見舞われた。)彼のスタート失敗を生まれて初めて見た。いつもスタートを得意とする琢磨のことだったから、一瞬目を疑ったが、彼はピットに連れ戻されて、再スタートすることになり、レースはアクシデントの為セーフティーカーが導入されていた。琢磨はピットロード出口でオフィシャルに止められてしまい、タイミング悪く1周遅れでのレース復帰となってしまった。 ![]() 結局最終的には18位まで追い上げ、ただひとり異次元のポジションアップを果たすが、リザルトに残ったのはマイナス1Lapの28番手という、必死の頑張りに見合わないものであった。しかし、あの状況でベストラップがレースファステストの0.1秒落ちというは、本当に立派だと思う。(いつクリアーラップがあったのか、見ているほうは分からないほどだったからだ)我々にも容易に察しがつくほどその混沌とした精神状態の中で、クルマはかすり傷ひとつなく、琢磨は素晴らしく力強いレースを観せてくれた。(実際1コーナーで観ていた観衆は、彼の追い上げにかなり盛り上がっていた)レース後にモータホームでうな垂れる琢磨のもとに、観客の数名が素晴らしい走りだったと伝えに来てくれたほどなのだから。 ![]() |
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