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水泡に帰した追い上げ

テキサス・モーター・スピードウェイで行なわれたIZODインディカー・シリーズのレースで佐藤琢磨はまたしても力強い走りを示したが、20番グリッドから6番手まで追い上げたところでクラッシュを喫するという残念な結末に終わった。

琢磨は次々とポジションを上げ、トップグループの直後にまで迫ったが、228周のレースの64周目に思わぬアクシデントに見舞われたのだ。

インディ500で多くの人々に衝撃を与えたパフォーマンスを、琢磨はこの1.5マイルのハイバンク・オーバルでも再現するつもりでいた。しかし、密集したレース展開を回避するために導入された“ローダウンフォース・セットアップ”をダラーラ・ホンダに適合させるため、琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは新たなセットアップ作業に取り組まなければならなかった。

「エアロダイナミクス・セッティングの面では、なかなか興味深い週末でした」と琢磨。「チームやドライバー間で合意したローダウンフォース・パッケージを取り入れなければいけなかったからです。最初のプラクティスでは非常に難しく感じられました。いつものセットアップで走ればテキサスを走るのは(単独では)それほど難易度の高いことではありませんが、今回だけはまったく状況が異なっていたのです!」

「たくさんの作業を行わなければいけませんでしたし、特にチームは大変だったと思います。今季、僕たちがインディ以外のオーバルを走るのはこれが初めてで、残念ながらトップグループから大きく引き離されていたので、走り始めてからわずか2周でまたピットに戻らなければなりませんでした。ただし、その後はコースインするたびに失地を挽回することができました。走れば走るほど状況はよくなっていったのです」

チームが改良を加えた結果、琢磨は予選で10番手という好成績を収めることとなる。「僕たちはまったくテストできていなかったので、10番手という成績には満足すべきなのでしょう。それはよかったのですが、コクピットのなかでドライバーがしなければいけない仕事は大変なものでした。なにしろ、およそ215mph(約344㎞/h)をローダウンフォース・パッケージで走るんですから!」

予選後のプラクティスで琢磨は4番手に食い込んだが、エンジンに問題が発生したために10グリッド・ダウンとなり、20番グリッドからのスタートを強いられることになる。「マシーンのバランスはとても良好でした。さらに改善したい部分は残っていましたが、これまでに長足の進歩を果たしていたのも事実です。本当はもう少しメカニカルグリップを向上させたかったのですが、できることはすべてやっており、これについてはいくぶん自信もありました」

「不運なことに、この最後のプラクティスでエンジン・トラブルが発生したため、エンジン交換を余儀なくされました。この場合、グリッドポジションは規則によって10番手分、降格されます。つまり、20番グリッドのスタートとなるわけですが、テキサスは他のサーキットに比べてオーバーテイクが難しくないので、これについてはあまり心配していませんでした」

レースが始まると、No.15をつけたレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのマシーンは徐々に順位を上げていった。「スタートは上手くいきました。いくつか順位を上げたところで、レースの流れは一旦、落ち着きました。そこから1台ずつ抜いていき、13番手となります。とにかく、ローダウンフォースだったのでとてもチャレンジングな戦いでした。なにしろ、すべてのコーナーでスロットルを戻さなければいけなかったのです。でも、それと同時にとても面白かったですよ!」

「僕たちはマシーンのバランスに問題を抱えていました。もっとも、これは誰にとっても似たような状況で、それを考えればレースの展開はよかったといえます」

最初のコーションでドライバーたちが続々とピットストップを行うと、琢磨はさらに順位を上げた。「僕たちはフロントウィングを少し調整しましたが、メカニックたちがピットストップで素晴らしい働きを示してくれたおかげで、コースに復帰したときには10番手に浮上していました。リスタートでのダッシュも完璧に決まり、一気に3台を追い越すことができました! 引き続きマシーンは好調で、僕は6番手まで浮上し、ライアン・ブリスコーの直後につけていました」

「トップグループのペースはかなり速く、僕はただ彼らを追いかけているだけでしたが、やがてマシーンがスライドを起こすようになります。ピットストップを行うと、マシーンは一層ナイフエッジなフィーリングを感じさせるようになり、スナップ・オーバーステアが顔を出すようになりました。2スティント目でニュータイアを装着し、20ラップほどを走行した頃、突然、ターン2の出口でリアのグリップが失われ、マシーンは360度スピン、バックストレートのアウト側のウォールにヒットしてしまいました。とても力強いレース運びをしていたので、これは残念な幕切れでした。ほかのコーナーではアンダーステアが顔を出していたのに、ターン2だけは状況が違っていて、とても走りにくい状況だったのです」

いずれにせよ、琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、今回のレースで見せた素晴らしいペースをポジティブに受け止めたうえで、次戦を迎えることができる。もっとも、その舞台となるのは、あの有名なミルウォーキー・マイル。テキサスとはコースの特性が大きく異なることはいうまでもない。

「今回は、いつものテキサスとはまったく違ったレースとなりました。時には2ワイドになることもありましたが、3ワイドはあり得ない状況でした。接近戦が繰り広げられていた昨年までは、3ワイドが当たり前のように見られたのですが……。もっとも、僕たちはいい経験を積むことができましたし、状況の改善に役立つ多くのことを学びました」

「ミルウォーキーのレースが本当に楽しみです。実際にはオーバルコースですが、ここを走っているとロードコースのような感覚が味わえます。しかも、とてもエキサイティングなコースなので、僕たちにとって素晴らしいレースとなることを期待しています」

written by Marcus Simmons

POS.  DRIVER/TEAM No START LAPS LL Status PTS
1 Justin Wilson
Dale Coyne Racing
18 17 228 11 Running 50
2 Graham Rahal
Service Central Chip Ganassi Racing
38 3 228 27 Running 40
3 Ryan Briscoe
Team Penske
2 10 228 5 Running 35
4 James Hinchcliffe
Andretti Autosport
27 6 228 8 Running 32
5 JR Hildebrand
Panther Racing
4 23 228 0 Running 30
6 Simon Pagenaud
Schmidt/Hamilton Motorsports
77 9 228 0 Running 28
7 Helio Castroneves
Team Penske
3 15 227 0 Running 26
8 Will Power
Team Penske
12 5 227 24 Running 24
9 Alex Tagliani
Team Barracuda-BHA
98 1 227 20 Running 23
10 James Jakes
Dale Coyne Racing
19 21 227 0 Running 20
11 Tony Kanaan
KV Racing Technology
11 7 227 0 Running 19
12 Ed Carpenter
Ed Carpenter Racing
20 19 227 0 Running 18
13 Ana Beatriz
Andretti Autosport
25 67 226 0 Running 17
14 Dario Franchitti
Target Chip Ganassi Racing
10 2 225 0 Running 16
15 Katherine Legge
Lotus Dragon Racing
6 22 224 0 Running 15
16 Mike Conway
A.J. Foyt Enterprises
14 18 224 0 Running 14
17 Marco Andretti
Andretti Autosport
26 8 222 0 Running 13
18 Scott Dixon
Target Chip Ganassi Racing
9 4 173 133 Contact 14
19 EJ Viso
KV Racing Technology
5 14 129 0 Mechanical 12
20 Oriol Servia
Lotus Dreyer & Reinbold Racing
22 11 89 0 Mechanical 12
21 Ryan Hunter-Reay
Andretti Autosport
28 13 66 0 Mechanical 12
22 Takuma Sato
Rahal Letterman Lanigan Racing
15 20 63 0 Contact 12
23 Charlie Kimball
Novo Nordisk Chip Ganassi Racing
83 16 29 0 Contact 12
24 Rubens Barrichello
KV Racing Technology
8 12 0 0 DNS 6
25 Simona de Silvestro
HVM Racing
78 24 0 0 DNS 5




佐藤琢磨、6番手を走行中にリタイア

2012-06-09

昨日の予選で今季最高位の10位を手に入れた佐藤琢磨は、その後、エンジン交換を行ったために10グリッド・ダウンのペナルティを科せられてしまう。この結果、本日、テキサス・モーター・スピードウェイで行われたファイアストン550の決勝レースに20番グリッドからスタート。ここで琢磨は目覚ましいドライビングを披露し、6番手まで浮上したものの、レースカーのトラクションが失われたためにウォールと接触し、リタイアに追い込まれた。

佐藤琢磨のコメント
「エキサイティングでとてもチャレンジングなレースでした。僕たちは力強いスタートを決め、いつくか順位を上げましたが、その後はレースの流れも落ち着き、ひとつずつポジションを上げていくこととなりました。今日はどのドライバーもレスダウンフォースで走ったので、誰かを追いかけるのは難しく、どのコーナーでも必ずスロットルを戻さなければいけませんでしたが、おかげでとてもチャレンジングで素晴らしいレースとなりました。ピットストップも上手くいき、ここでも順位を上げることに成功します。メカニックたちの働きぶりは最高でした。リスタートでも好ダッシュを決めて順位をいくつか上げ、すべて順調のように思えました。けれども、続いてピットストップを行ってからはマシーンがとてもナーバスに感じられ、ターン2の出口で突然リアのグリップが抜けてコントロールを失い、ここでレースを終えることになりました。とても悔しく、非常に残念でした。僕たちはまたしても素晴らしいパフォーマンスを示すことができたので、次のレースでは上位フィニッシュを果たしたいと思います」

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより

POS.  DRIVER/TEAM No Total Time Avg Speed
1 Alex Tagliani
Team Barracuda-BHA
98 00:48.5695 215.691
2 Dario Franchitti
Target Chip Ganassi Racing
10 00:48.5797 215.646
3 Graham Rahal
Service Central Chip Ganassi Racing
38 00:48.6003 215.554
4 Scott Dixon
Target Chip Ganassi Racing
9 00:48.6507 215.331
5 Will Power
Team Penske
12 00:48.6992 215.116
6 James Hinchcliffe
Andretti Autosport
27 00:48.7438 214.920
7 Tony Kanaan
KV Racing Technology
11 00:48.7934 214.701
8 Mike Conway
A.J. Foyt Enterprises
14 00:48.8487 214.458
9 Marco Andretti
Andretti Autosport
26 00:48.8564 214.424
10 Takuma Sato
Rahal Letterman Lanigan Racing
15 00:48.9085 214.196
11 Simon Pagenaud
Schmidt/Hamilton Motorsports
77 00:48.9345 214.082
12 Ryan Briscoe
Team Penske
2 00:48.9396 214.060
13 Oriol Servia
Lotus Dreyer & Reinbold Racing
22 00:48.9632 213.957
14 Rubens Barrichello
KV Racing Technology
8 00:48.9650 213.949
15 Ryan Hunter-Reay
Andretti Autosport
28 00:48.9699 213.927
16 EJ Viso
KV Racing Technology
5 00:49.0807 213.444
17 Helio Castroneves
Team Penske
3 00:49.0904 213.402
18 Charlie Kimball
Novo Nordisk Chip Ganassi Racing
83 00:49.2217 212.833
19 Justin Wilson
Dale Coyne Racing
18 00:49.3834 212.136
20 Ed Carpenter
Ed Carpenter Racing
20 00:49.4984 211.643
21 James Jakes
Dale Coyne Racing
19 00:49.5917 211.245
22 Katherine Legge
Lotus Dragon Racing
6 00:49.7570 210.543
23 Simona de Silvestro
HVM Racing
78 00:51.3364 204.066
24 JR Hildebrand
Panther Racing
4 00:51.7089 202.596
25 Josef Newgarden
Sarah Fisher Hartman Racing
67 No Time 0




佐藤琢磨、今季最高位の10番グリッドを獲得

2012-06-08

本日、テキサス・モーター・スピードウェイにおいてファイアストン550の公式予選が行なわれ、佐藤琢磨は2ラップの平均で214.196mph(約342.7km/h)を記録し、今季最高位となる10番グリッドを獲得した。ポールポジションはアレックス・タグリアーニ(215.691mph/約345.1km/h)。

佐藤琢磨のコメント
「今日は思いがけない1日となりました。ここではインディ500とは異なるエアロパッケージを用いたほか、テキサスを走るのは今季初のことでした。最初に1時間のセッションが行われましたが、ここでやらなければならないことはたくさんありました。クルマは期待したほど乗りやすい状態ではありませんでしたが、プラクティスで良好なデータを収集できたので、これをもとにして予選に備えました。状況を考えれば、今日の予選結果には満足すべきなのでしょう。トップ10からスタートできるのは嬉しいことです。決勝のセットアップは予選用とは大きく異なるので、次のプラクティスセッションではこれに取り組むことになります」

レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより

POS.  DRIVER/TEAM No Time Speed