長く待たされれば待たされるほど、勝利の美酒はいっそう甘美に感じられるもののようだ。
最後に佐藤琢磨が優勝したのは2001年11月。あれはマカオGPのF3レースでのことで、このシーズンはイギリスF3で12勝を挙げてタイトルを勝ち取っただけでなく、マスターズF3でも栄冠を手に入れた。同じ頃、AJフォイトのチームはオーバルコースだけを転戦する初期のインディカー・シリーズにエントリーしていた。
フォイトのチームが最後に勝ったのは2002年7月のこと。コースはカンザス・スピードウェイで、ドライバーはブラジル出身のエアトン・デアだった。このとき、琢磨はF1初年度のシーズン半ばをジョーダンとともに戦っている。
オーバル以外のコースにおけるフォイト・チームの優勝となると、さらに時代をさかのぼらなければならない。それは実に1978年9月、イギリスで2連戦を行った最初のレース(サーキットはシルヴァーストーン)でAJ自身が優勝したのが最後となっているからだ。この頃、琢磨はようやくひとり歩きができるようになったかどうか、というところだろう。
いずれにせよ、2013年のロングビーチ戦で味わった美酒はとりわけ甘美だったはず。なかでも、IZODインディカー・シリーズで過去3年間にわたって何度も速さを見せつけながら、そのたびに不運に泣かされてきた琢磨が、AJフォイト・レーシングのダラーラ・ホンダを駆ってようやく勝利を手に入れたのである。それだけでなく、これは日本人ドライバーにとってもインディカー・シリーズにおける初の快挙だった。いや、対象をアジア人全体に広げても、これほどレベルの高いオープンホイールカーレースで勝利を挙げたドライバーはこれまでいなかった。
だからといって驚く必要はまるでない。なぜなら、開幕2連戦が行われたセントピーターズバーグの市街地コースでもバーバーのロードコースでも、No.14をつけたマシーンはとびきり速かったからだ。「自分たちが望むようなスピードを手に入れていました。僕たちはセントピーターズバーグでコンペティティブだったし、バーバーでも充分にコンペティティブでした」
「まずはロングビーチのスタンダード・セットアップに仕立てて、どんな様子かを確認しました。最初のプラクティスは順調でした。クルマの感触は良好で、走り始めからいいペースで走行できました。けれども、その後ギアボックスに小さな不具合が発生し、セッションを早めに切り上げることとなりました。さらに、2回目のプラクティスは3回も赤旗が提示される展開となります。このため、僕たちが行った計測ラップはそれほど多くなく、セッティングを変更しての比較テストを行うのも困難な状況でしたが、セットアップは順調に進歩していきました」
「チームはいいムードに包まれていましたが、まだやるべき仕事は残っていました。ところが、土曜日のフリープラクティスではあまりコンペティティブではありませんでした。ニュータイアを履いたときのスピードが伸び悩んでいたのですが、やがて、ニュータイアでのバランスに問題があることに気づきました。というわけで、セッションとしてはいい結果ではありませんでしたが、予選に向けて取り組むべきポイントがわかったことは大きな収穫でした」
予選の展開は実にシンプルなものだった。最初のセッションは3番手、2回目は5番手で、最終的には4番グリッドを手に入れた。「おそらく、ベストなバランスではなかったと思います」と琢磨。「でも、Q1とQ2でのパフォーマンスはとても良好でした。接戦でしたが、そのなかでQ3に進出できる充分なスピードを発揮できました。4番グリッドは、チーム全員が頑張って手に入れた結果です。2列目からスタートできることは素晴らしく、僕はこの結果に満足していました」
スタート直後に琢磨はウィル・パワーを捉え、ダリオ・フランキッティとライアン・ハンター-レイに続く3番手に浮上した。「僕はライアンの直後につけると、スタートでウィルをパスしました。僕以外の上位陣はみんな柔らかめのレッドタイアを履いていたので、これは嬉しい展開でした。ブラックタイアを履く僕が、もしもレッドタイアを装着したライバルたちと同じペースで走れれば、彼らはいずれブラックタイアに履き替えることになるので、僕たちの作戦は大成功だったことになります。だから、スタートで順位を落とさなければそれでいいと思っていましたが、ひとつ順位を上げられたので期待以上の展開でした!」
「ダリオが徐々に引き離していくのが見えましたが、僕はライアンに抑えられていたので、燃料をセーブすることにしました。柔らかめのオルタネーティブタイアを履くドライバーを抜くのは容易なことではありませんでしたが、僕は虎視眈々と機会をうかがっていました。そして、ついにそのチャンスがやってきました。ヘアピンの脱出で彼の出足が鈍ったのです。僕はこのチャンスを見逃さず、プッシュ・トゥ・パスとスリップストリームを使ってライアンを捉えると、ターン1でインサイドに飛び込んで彼を仕留めました」
琢磨がハンター-レイをオーバーテイクしたのは23周目のこと。このとき約3秒だったフランキッティとの差は、数周後には1秒差まで縮まったが、ここで上位陣は続々とピットストップを行った。フランキッティはこのピットストップに手間取って遅れ、パワーはその後のフルコーション中にピットストップを行っていたが、レースが再開したとき、琢磨はパワーとフランキッティをリードする立場に立っていた。
「僕たちのペースは本当に力強く、次第にダリオを追い詰めていきました。さらにメカニックたちがスムーズでとても速いピット作業を行ってくれました。これで僕はトップに立ちました。しかも、ライバルの多くはブラックタイアを装着しているのに対し、僕はレッドタイアに交換したばかりで、次のスティントでもレッドタイアを履いて、そのままフィニッシュまで走りきる作戦でした。だから、これは本当に理想的なシナリオでした」
「リスタートで肝心だったのはペースをコントロールすることです。マカオと同じように、僕は数秒ほど後続を引き離してスリップストリームを使われないように注意しました。その後はオルタネーティブタイアを持たせるように丁寧にドライブしました」
偶然にも、このとき2番手に浮上したのは、昨年琢磨が操っていたNo.15のマシーンで、ドライバーはグレアム・レイホールだった。「グレアムが仕掛けてきましたが、僕はすぐにこれに応え、彼とのギャップを保ちました。本当に最高のレースでした。クルマも好調でハンドリングもよく、ドライブが本当に楽しく思えました」
レースが残り24周となったときのリスタートでは、周回遅れのチャーリー・キンボールが琢磨に襲いかかってきたが(コーション中にほとんどのドライバーがピットストップを行っていた)、直後にウォールと接触したキンボールを琢磨は避けることに成功する。「彼のリスタートは素晴らしいものでしたが、『うーん、ちょっと待てよ』と思いました。彼は相当やる気のようだけど、僕は不運から逃れないといけない。どんなリスクも回避しなければいけなかったのです」
ここから琢磨はレイホールを突き放していったので、フィニッシュ直前にトニー・カナーンがクラッシュしたときにはその差を5秒としていた。しかし、このアクシデントによりフルコースコーションとなり、レースはそのまま幕を閉じた。「最後のスティントでは、新品のオルタネーティブタイアを履いた直後の数周は抑えたペースで走行し、タイアにダメージを与えないように気をつけました。チームは、確実にというか、ある意味保険というか、燃料をセーブした走行を僕に指示するとともに、すべてをコントロールできている状態だと伝えてきました。僕は指示通りの燃費を確保しながら、それでも後続を引き離していきました。僕は心からドライビングを楽しみました」
「本当に完璧なレースでした。2回のピットストップはうまくいき、レースでは常にペースをコントロールしていました。作戦も完璧で、信じられないような気分でした。F3からステップアップして、メジャーシリーズでの最初の優勝です! これまでヒロ松下さんを始めとする数多くの素晴らしい日本人ドライバーが長年アメリカで挑戦してきた結果が繋がり、今日その1ページをめくることができて本当に嬉しく思います。こんな風に優勝できて本当に嬉しいし、AJフォイト・レーシングにとっては久しぶりの勝利となりました。今週手術を受けることになるAJのご無事をお祈りすると共に、こんなに素晴らしいチャンスをくれたAJに改めて心から感謝します!」
ほかには? 琢磨は現在ランキング2位。首位のエリオ・カストロネヴェスとは僅差で、迎えるレースは琢磨が得意とするサンパウロで開催される。ここで一気にポイントリーダーの座を狙うのか? インディカー・シリーズは常に接戦なので、現在ランキング4位、5位、もしくは6位のドライバーでも、次のレースで表彰台に上ればランキングトップに浮上する可能性があるのだ。「こうなるなんて想像もしていませんでした。僕たちは自分の仕事をやり続けてきただけです。サンパウロではこれまでにいくつもいい思い出があるので、ここをいい形で終え、次のインディ500に臨みたいと思います」
「優勝してからはとてつもなく忙しい毎日です。世界中のたくさんの人々から祝福を受け、そのメッセージを読むのも返事もまるで追いつかないほどですから!でもこれは嬉しい悲鳴っていうことですね……」
written by Marcus Simmons
POS. | DRIVER/TEAM | No | START | LAPS | LL | Status | PTS |
1 | Takuma Sato A.J. Foyt Enterprises |
14 | 4 | 80 | 50 | Running | 53 |
2 | Graham Rahal Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 11 | 80 | 0 | Running | 40 |
3 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
19 | 24 | 80 | 0 | Running | 35 |
4 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 1 | 80 | 27 | Running | 34 |
5 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 12 | 80 | 0 | Running | 30 |
6 | Oriol Servia Panther DRR |
22 | 18 | 80 | 0 | Running | 28 |
7 | Marco Andretti Andretti Autosport |
25 | 25 | 80 | 0 | Running | 26 |
8 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 17 | 80 | 0 | Running | 24 |
9 | Simona de Silvestro KV Racing Technology |
78 | 19 | 80 | 0 | Running | 22 |
10 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 6 | 80 | 0 | Running | 20 |
11 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 26 | 80 | 0 | Running | 19 |
12 | James Jakes Rahal Letterman Lanigan Racing |
16 | 13 | 80 | 0 | Running | 18 |
13 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 16 | 80 | 0 | Running | 17 |
14 | Ana Beatriz Dale Coyne Racing |
18 | 22 | 80 | 0 | Running | 16 |
15 | Sebastien Bourdais Dragon Racing |
7 | 15 | 80 | 0 | Running | 15 |
16 | Will Power Team Penske |
12 | 3 | 80 | 2 | Running | 15 |
17 | Tristan Vautier Schmidt Peterson Motorsports |
55 | 27 | 80 | 0 | Running | 13 |
18 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 23 | 80 | 0 | Running | 12 |
19 | Alex Tagliani Barracuda Racing |
98 | 21 | 79 | 0 | Running | 11 |
20 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 8 | 78 | 0 | Contact | 10 |
21 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 9 | 78 | 0 | Running | 9 |
22 | EJ Viso Andretti Autosport |
5 | 10 | 53 | 0 | Running | 8 |
23 | AJ Allmendinger Team Penske |
2 | 14 | 51 | 0 | Mechanical | 7 |
24 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
1 | 2 | 49 | 1 | Contact | 7 |
25 | Mike Conway Rahal Letterman Lanigan Racing |
17 | 5 | 38 | 0 | Electrical | 5 |
26 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 7 | 34 | 0 | Contact | 5 |
27 | Sebastian Saavedra Dragon Racing |
6 | 20 | 1 | 0 | Contact | 5 |
日本人としてインディカー・初のウィナーに輝く
2013-04-21
優勝!
佐藤琢磨とAJフォイトABCサプライ・チームは、本日午後に開かれた39回トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチで圧倒的なパフォーマンスを発揮し、世界に向けて力強いメッセージを発信しました。
今回の栄冠は多くの人々に驚きをもたらしたことでしょう。ただし、AJの息子であるラリー・フォイトが指揮するチームと琢磨は、この日が必ずやってくると信じていました。
琢磨はIZODインディカー・シリーズで優勝した最初の日本人ドライバーとなりました。これでAJフォイト・レーシングは、2002年のケンタッキー・スピードウェイでブラジル人ドライバーのエアトン・デアが僅差でサム・ホーニッシュJr.を下してから続いてきた“無勝記録”にピリオドを打つこととなりました。
ロングビーチの市街地コースを80周して競われるレースに4番グリッドから挑んだ琢磨は、スタート直後の第1コーナーで同じ2列目グリッドからスタートしたウィル・パワーを打ち破り、この日の優勝争いに颯爽と名乗りを挙げました。その後、1度は3番手に後退しますが、ここで琢磨はシリーズチャンピオンであるライアン・ハンター-レイに照準をあわせます。そしてハンター-レイのタイアの摩耗が進行した23周目、琢磨はその攻略に成功して2番手へと返り咲きました。
28周目、ブラックタイアからレッドタイアへの交換と給油のためにピットインした琢磨を、ABCサプライ・チームはわずか8秒フラットの作業でコースに送り返しました。他のドライバーもピットストップを行っていくなか、30周目にはチャーリー・キンボールとアレックス・タグリアーニのアクシデントによりフルコーションとなります。そして31周目にはパワーがピットインし、琢磨がトップに浮上しました。
それ以降、琢磨は2度と後ろを振り返りませんでした。
また、素早いピットストップ作業のおかげもあり、ここからフィニッシュするまでの大半を琢磨はトップで走り続けました。そして51周目にハンター-レイの単独アクシデントによってフルコーションとなったとき、ABCのクルーはたったの6.9秒で作業を終えています。
その29周後、悠々とチェッカードフラッグを受けた琢磨は、ホンダに今季初の栄冠をもたらしました。
最終ラップにオリオール・セルヴィアとトニー・カナーンが接触し、このためレースはイエローコーションで幕を閉じましたが、それ以前に琢磨は2番手のグレアム・レイホールを4秒リードしており、まったく危なげのない勝利を手に入れたのです。
優勝、ならびに50周にわたってレースをリードしたことで、琢磨はチャンピオン争いの12番手から2番手へとジャンプアップ。トップのエリオ・カストロネヴェスとはわずかに6ポイント差まで迫っています。
佐藤琢磨のコメント
「僕のレース人生のなかでも最高に素晴らしい1日となりました。週末を通じてチームは抜群の働きをしてくれました。クルマの仕上がりも最高で、ドライブしていて楽しくて仕方ありませんでした! ブラックタイアとレッドタイアを使いこなすという面でも文句のつけどころがなく、必要とされた燃料のセーブもうまくいきました。すべてが予定どおりでした。僕は、不運にあわないように、そしてミスを犯さないようにさえ注意していれば、それでよかったのです」
「ラリーの指揮は素晴らしく、メカニックたちは2回のピットストップで抜群の働きをしてくれました。リスタートにリスクはつきものです。そこで、必要なときは全力で挑みましたが、そうでないときは極力リスクを避けるようにしました。最後はクルージングでフィニッシュしましたが、最高の気分でした。今日の優勝は、すべてがひとつにまとまった結果、もたらされたものです。栄冠は簡単には手に入りませんが、今日は自然と、そして無理せずに優勝できたので、ひょっとすると簡単なレースと思えたかもしれません。グレアム・レイホールが速いことはわかっていたので、レース終盤に向けて僕は懸命にプッシュするとともに、燃料とタイアをセーブしなければいけないことも理解していました。そこでレース序盤はあまりプッシュすることなく、いいペースを保つことを心がけました。これが今日は勝因になったように思います」
「僕たちをサポートしてくれている全ての皆さんに心からお礼を申し上げます。今日、優勝できたのは、そうした方々にサポートしていただいたおかげです。皆さんと一緒にシリーズを戦っていることに深い誇りを感じています」
「ホンダはインディカー・シリーズを力強くサポートするとともに、AJフォイト・レーシングの強力なパートナーでもあります。彼らに今季初の優勝をプレゼントできたことも誇りに思っています。表彰台に上った全員がホンダのドライバーだなんて、本当に最高です!」
ラリー・フォイト(チーム監督)のコメント
「今日は琢磨がいとも簡単に勝ったように見えましたが、私はとてもナーバスな気持ちでレースの行方を見守っていました。しかし琢磨のレース運びは完璧でした。これほど完璧にレースを戦ったドライバーを、私はいままで見たことがありません。クルマも申し分なく、エンジニアたち(チーフエンジニア:ドン・ホリデイ、パフォーマンスエンジニア:ラウル・プラドス)は最高のセットアップを施し、ABCクルーは目を見張るような速さでピット作業をこなしてくれました。それらが今日はひとつにまとまりました。私たちには一発の速さがありましたが、その一方で、すべての要素をひとつにまとめなければいけないことも承知していました。トップを走り続ける我々のマシーンは最高でした」
AJフォイト(チームオーナー)のコメント
(慢性の腰痛に悩まされているAJは、今週ヒューストンで手術を受ける予定のため、レースはヒューストンの自宅でテレビ観戦した)
「チームが最高の仕事をし、琢磨が信じられないほど素晴らしいドライビングをしてくれたことを心から喜んでいます。ラリーも立派でした。ドン、それにすべてのスタッフが最高の働きをしてくれました。ABCは、私たちのチームを長年にわたってサポートしてくれましたが、とうとうABCのマシーンをウィナーズサークルに導くことができました。私自身、何度もビクトリーレーンに立ったことがあるので、それがどんな気分かよくわかります。彼らがそこに立てたことを心から喜んでいます。勝利の場に皆と一緒にいられなくて残念ですが、私なしでも勝てることが証明されたのは本当に喜ばしいことです」
「そして次は私が一緒にいる時に勝ってもらわなければいけませんね。なにしろインディ500では現場にいる予定ですので」
(AJフォイト・レーシングのプレスリリースより)
POS. | DRIVER/TEAM | No | Time | Speed |
1 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 01:07.2379 | 105.369 |
2 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
1 | 01:07.2934 | 105.282 |
3 | Will Power Team Penske |
12 | 01:07.3987 | 105.118 |
4 | Takuma Sato A.J. Foyt Enterprises |
14 | 01:07.4472 | 105.042 |
5 | Mike Conway Rahal Letterman Lanigan Racing |
17 | 01:07.5994 | 104.806 |
6 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 01:07.9698 | 104.235 |
7 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 01:07.4358 | 105.060 |
8 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 01:07.5891 | 104.822 |
9 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 01:07.6306 | 104.757 |
10 | EJ Viso Andretti Autosport |
5 | 01:07.7209 | 104.618 |
11 | Graham Rahal Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 01:07.7799 | 104.527 |
12 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 01:07.7902 | 104.511 |
13 | James Jakes Rahal Letterman Lanigan Racing |
16 | 01:07.9185 | 104.313 |
14 | AJ Allmendinger Team Penske |
2 | 01:08.2001 | 103.883 |
15 | Sebastien Bourdais Dragon Racing |
7 | 01:07.9823 | 104.215 |
16 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 01:08.2579 | 103.795 |
17 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 01:07.9979 | 104.191 |
18 | Oriol Servia Panther DRR |
22 | 01:08.2889 | 103.747 |
19 | Tristan Vautier Schmidt Peterson Motorsports |
55 | 01:08.1512 | 103.957 |
20 | Simona de Silvestro KV Racing Technology |
78 | 01:08.3173 | 103.704 |
21 | Sebastian Saavedra Dragon Racing |
6 | 01:08.4404 | 103.518 |
22 | Alex Tagliani Barracuda Racing |
98 | 01:08.6431 | 103.212 |
23 | Ana Beatriz Dale Coyne Racing |
18 | 01:09.9133 | 101.337 |
24 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 01:09.0318 | 102.631 |
25 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
19 | 0 | 0 |
26 | Marco Andretti Andretti Autosport |
25 | 01:09.4506 | 102.012 |
27 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 01:09.6706 | 101.690 |
佐藤琢磨、今季2度目のファイアストン・ファスト6で4番グリッドを獲得
2013-04-20
いま、チームは不思議な力を備えている。そして、その不思議な力がシーズンの始めから佐藤琢磨とAJフォイトABCサプライに宿っていることを多くの人々が認めている。ドライバーにとってもチームにとっても、これほど素晴らしいIZODインディカー・シリーズの幕開けはかつてなかったといえる。
本日行われたトヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチの予選において、No.14ABCサプライ・ホンダに乗る琢磨は4位となった。過去3戦で、琢磨がファイアストン・ファスト6に進出するのはこれが2度目のことである。そして、もしもバーバー・モータースポーツ・パークで審査委員会が琢磨にペナルティを科さなければ、琢磨は3レースすべてでファイアストン・ファスト6に進出していたことになる。これはチーム・ペンスキーのウィル・パワーやエリオ・カストロネヴェスと肩を並べる成績である。実際にファイアストン・ファスト6に出走した回数でいえば、琢磨はディフェンディングチャンピオンのライアン・ハンター-レイやルーキーのトリスタン・ヴォーティエと並んでいる。
予選で105.042mph(約168.1㎞/h)を記録した琢磨は、ウィル・パワー(105.118mph/約168.2㎞/h。シボレー)と2列目グリッドで並び、ポールウィナーのダリオ・フランキッティ(105.369mph/約168.6㎞/h。ホンダ)とライアン・ハンター-レイ(105.282mph/約168.5㎞/h。シボレー)に続くポジションからスタートする。
明日は午前中にウォームアップ走行を行った後、午後1時30分に決勝レースがスタートする。
佐藤琢磨のコメント
「今日は興味深い1日で、しかもファイアストン・ファスト6で4番手となれたのだからいい1日だったと思います。最後のプラクティスではいいバランスにまとめるのに少し苦労しましたが、けれども、僕たちはそこからスピードを上乗せすべく懸命に働きました。予選では本当に限界までプッシュしましたが、2列目に並べてハッピーです。もちろん、もっと速く走ってフロントロウに並べればそのほうがいいでしょうが、僕たちは3レース連続でコンスタントに速いことを証明しました。ロングビーチのスターティンググリッドとしては、これが過去最高のポジションなので、明日のレースが楽しみです」
(AJフォイト・レーシングのプレスリリースより)
POS. | DRIVER/TEAM | No | Time | Speed |
1 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
1 | 01:09.4224 | 102.054 |
2 | Mike Conway Rahal Letterman Lanigan Racing |
17 | 01:09.4603 | 101.998 |
3 | Will Power Team Penske |
12 | 01:09.5166 | 101.915 |
4 | Tristan Vautier Schmidt Peterson Motorsports |
55 | 01:09.5657 | 101.843 |
5 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 01:09.6608 | 101.704 |
6 | James Jakes Rahal Letterman Lanigan Racing |
16 | 01:09.7664 | 101.550 |
7 | Alex Tagliani Barracuda Racing |
98 | 01:09.7829 | 101.526 |
8 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 01:09.7891 | 101.517 |
9 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 01:09.8157 | 101.479 |
10 | Takuma Sato A.J. Foyt Enterprises |
14 | 01:09.9197 | 101.328 |
11 | Simona de Silvestro KV Racing Technology |
78 | 01:10.0767 | 101.101 |
12 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
19 | 01:10.1028 | 101.063 |
13 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 01:10.1479 | 100.998 |
14 | Graham Rahal Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 01:10.1906 | 100.937 |
15 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 01:10.2081 | 100.911 |
16 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 01:10.2472 | 100.855 |
17 | Marco Andretti Andretti Autosport |
25 | 01:10.3292 | 100.738 |
18 | Sebastien Bourdais Dragon Racing |
7 | 01:10.3735 | 100.674 |
19 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 01:10.4001 | 100.636 |
20 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 01:10.4956 | 100.500 |
21 | AJ Allmendinger Team Penske |
2 | 01:10.5424 | 100.433 |
22 | EJ Viso Andretti Autosport |
5 | 01:10.8132 | 100.049 |
23 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 01:10.8156 | 100.046 |
24 | Ana Beatriz Dale Coyne Racing |
18 | 01:11.0011 | 99.784 |
25 | Oriol Servia Panther DRR |
22 | 01:11.0586 | 99.704 |
26 | Sebastian Saavedra Dragon Racing |
6 | 01:11.0693 | 99.689 |
27 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 01:11.6747 | 98.847 |
佐藤琢磨、プラクティス1回目で3番手のタイムをマーク
2013-04-19
ロングビーチの市街地コースに戻ってきたIZODインディカー・シリーズは金曜日にフリープラクティスを行い、佐藤琢磨とABCサプライ・チームは順調な滑り出しを見せました。
最初のセッションでは、15周走ったうちの11周目にマークした101.185mph(約161.9km/h)という記録により、琢磨は3番手となりました。2回目のセッションでは度重なるアクシデントにより赤旗が3回も提示されました。事故を起こしたドライバーはセバスチャン・サーヴェドラ、ジャスティン・ウィルソン、シモーナ・デ・シルヴェストロ、そしてスコット・ディクソンたちでした。琢磨が2回目のセッションで周回できたのはたったの6周。セッション終盤に向かってギアボックス・トラブルが発生したため、琢磨は早めにセッションを切り上げることになりました。ベストラップは101.328mph(約162.1km/h)で、リザルト上は9番手となりました。
102.054mph(約163.3km/h)のベストラップを記録したのはライアン・ハンター-レイで、2番手以下はマイク・コンウェイ、ウィル・パワー、トリスタン・ヴォーティエ、エリオ・カストロネヴェスというオーダーでした。
明日は45分間のプラクティスを行った後、午後2時からロングビーチGPの公式予選が始まります。
佐藤琢磨のコメント
「残念ながら今日は短い1日となってしまいました。走り始めからクルマの感触は良好でした。今日は午前中に赤旗が1度、午後には3度提示されてセッションは中止になり、テストでできなかったことを試そうとしていた僕たちにとっては残念な展開となりました。さらに追い打ちをかけるように2回目のセッションではメカニカル・トラブルも発生し、早めに走行を終えることになったのも残念でした。いずれにせよ、ここからは明日の朝にテストしなければいけないことに集中し、プログラムを消化して午後の予選に備えることになります」
(AJフォイト・レーシングのプレスリリースより)