1999 Diamond Racing Team １９９９年は自分にとってシリーズ戦フル参戦の初年度となりました。日本での生活から一転、単身イギリスへ渡りレース活動をする事は容易ではありません。しかし、一昨年7月に渡英して以来、僕が所属しているダイヤモンドレーシングの人間味溢れる温かさと、レースに対する圧倒的な情熱に支えれて、激しいヨーロッパでのレースを心置きなく戦う事ができました。 F-OPELとは、かつてのVauxhall Lotusと同一カテゴリーです。1988年の初代チャンピオンはミカ・ハッキネンであり、当時の彼を走らせていたのが、現ダイアモンドレーシング代表のヒューイ・アブソロン。彼はかつてエンジニアやチームディレクターとしてF1やINDYの世界で活躍してきた偉大な方です。 初めてチームを訪れた日から僕らは意気投合し、僕は彼に絶大なる信頼を寄せました。それ以来、ヒューイと共に本当に多くのレースを経験していきました。自身はもとよりチームにとっても初優勝であった３月の開幕戦を始め、パーフェクトウィンによる雨のモンデーロパークや、F３ナショナルクラスでの３勝は素晴らしい思い出。レースではリザルト以上に多くの苦労も重ねましたが、人間同士の衝突や共感を繰り返すなかで、彼らとの結束力はより一層強まり、人間的にも本当に多くの事を学びました。波乱万丈だったシーズンを共に乗り越え、多くの苦しみや喜びを分かち合えたことを今ではとても幸せに感じます。僕にとってダイヤモンドレーシングは単なるレーシングチームではありません。彼らなくして、今の自分は無く、ここまで僕を成長させてくれたチームに、感謝の気持ちで一杯です。

プロローグ／英国武者修業／2000 Carlin Motor Sport