1997
佐藤琢磨は、1977年1月28日に東京都新宿区で誕生した。両親の仕事柄、幼年期は一日の多くを保育園で過ごしたが、クルマに関心を持ち始めたのもこの時期で、当時は片足で地面を蹴って進む“スクーター(後のキックボードに似た乗り物)”で飽きもせずに遊んでいたという。
▲TAKUMA 3age
自転車を初めて手に入れたのは3歳のとき。しかも、あっという間に補助輪なしで乗れるようになったというから、乗り物を操るセンスは天賦の才だったようだ。自転車については、後にインターハイで優勝するほどのめり込んでいくが、その原動力となったのは、持ち前の運動神経と体力、それに生来の負けず嫌いをバネとした集中力と忍耐力であったといっても過言ではない。
▲TAKUMA 5age
ほどなく町田市に転居して地元の小中学校を卒業、高校は和光学園に進学した。やがて自宅近くにあった自転車のプロショップ「たかだフレンド」と出会い、本格的な自転車競技を始める。当初は自分の通う高校に自転車部がなかったため、高校生を対象とした公式の競技会に参加できなかったものの、クラスの担任を顧問にして独力で自転車部を創設、3年生のときには前述したようにインターハイで優勝という快挙を成し遂げる。
▲TAKUMA 1994 Interscholastic athletic meet
1995
1995年には早稲田大学に入学して自転車部に所属、寮で起居する自転車漬けの毎日が始まる。その後も1995年インターカレッジ:2位、1996年全日本学生選手権:優勝と華々しい戦績を残したが、10歳のときに鈴鹿で観戦したF1日本グランプリの感激が忘れられず、心の中は次第にモータースポーツのことで占められていった。
▲TAKUMA 1995 WASEDA UNIVERCITY