

セントピーターズバーグの市街地コースで新時代を迎えたIZODインディカー・シリーズの第2戦は美しい景色で名高いバーバー・モータースポーツ・パークが舞台。ふたつのコースはまったくタイプが異なるものの、残念なことに、佐藤琢磨にとってはどちらのレースも似たような結果に終わった。
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのダラーラDW12ホンダと琢磨のコンビネーションは、この週末も力強い走りを何度か示しながら、結果的にはメカニカル・トラブルでリタイアに追い込まれたのである。
琢磨は最初のフリープラクティスで3番手に入るなど、滑り出しから好調だった。プレシーズン・テスト以降、徐々に進むマシーンの改善に琢磨は満足していたが、チャンピオンシップで11位以下のドライバーにはタイアの使用本数が優遇されるというルールがあったので、この結果を素直に喜ぶわけにはいかなかった。
「セントピーターズバーグからのいい流れを保っているように思えたかもしれません」と琢磨。「ただし、ここはパーマネントコースで、市街地コースのセントピーターズバーグとはタイプが大きく異なります。プラクティスは充実したものとなりました。ウィンターテストで確認できなかったいくつかのものを試していたので、2月のときに比べると、マシーンへの理解はずっと深まっていました。まずまず納得のできる状況でしたが、いくつか不満な部分が残っていたので、その改善に期待を寄せていました」
「タイア・ルールの影響があったので、フリープラクティスの結果を鵜呑みにするわけにはいきません。とはいえ、冷静に考えても、決して悪い状況とは思えませんでした」
ウェットコンディションとなった2回目のセッションで琢磨はトップに立った。満足のいく結果だったが、不満も残った。「楽しいセッションでしたが、自分たちの行なったセッティング変更を確認できないという意味では、難しい状況だったともいえます。比較するのはほぼ不可能な状況でした。そこで、土曜日の午前中に行なわれる3回目のセッションで確認することにしましたが、このセッションは深い霧が出て中止となりました。したがって、セッティング変更の効果を確認できないまま、僕たちは予選に臨むことになったのです」
琢磨は予選グループで8位となり、16番グリッドを手に入れた。この結果を見ると、セッティング変更は失敗に終わったようにも思えるが、琢磨の本当のスピードは、この成績から予想される状況をはるかに凌いでいた。「第1予選グループの結果を見ると、オルタナティブタイアではコースがグリーンな状態でもラップタイムは1秒ほど速く、グリップはずっと良好なように思えました。けれども、ライフは2周ほどと極端に短い。僕たちのセッティングは、どうやら少し限界を越えてしまったらしく、強いオーバーステアを示していたので、マシーンのバランスにはあまり満足できませんでした。とはいえ、この状態で戦うしかありません。2ラップ目に入るとき、前を走るマシーンとの間に大きな間隔を取るように注意しましたが、このマシーンはひどく遅く走行し、しかも驚くべきことにタイムアタック中ではないにも関わらず、進路を譲ってくれませんでした。そこでターン8の進入で追い越しましたが、ここでコンマ3秒ほどタイムを失いました。そして、これが僕のベストラップとなったのです。ここから一度スピードを落とし、改めてアタックしようとしましたが、タイアのグリップはもう残っていません。とてもとても残念な状況でした」
この結果、琢磨はコンマ1秒差でQ2進出を逃すことになった。遅いマシーンを追い越すのにタイムをロスせずに済んだなら、こんなことにはならなかっただろう。
それでも、レースが始まると、琢磨は序盤にしていくつか順位を上げる力強い走りを見せた。「スタート時のスピードが高かったので、誰もがグリッドと同じ順位に留まっていましたが、最初のリスタートでいくつかポジションを上げることに成功します。このときは嬉しかったですね。そして、何もかもが順調に思われました」
「最初のピットストップを行なうまで、マシーンのバランスにはやや不満もありましたが、それでもライバルをオーバーテイクし、いくつか順位を上げることはできました。ピット作業を終えたとき、タイアの取り扱いにやや問題があることが明らかになります。そこで、できるだけ順位を落とさないように注意しながら周回を重ねることとしました」
この後、琢磨はダリオ・フランキッティとバトルを繰り広げることになる。「バトルは楽しかったですが、このスティントは辛かったですね。次のピットストップ・ウィンドがやってくるまで、ひたすら我慢して走り続けました。2回目のピットストップでマシーンに変更を施し、新しいオルタネナティブタイアを装着したところ、状況は劇的に改善されました。コンペティティブなラップタイムを記録し、すべて順調になったのです。僕はライバルたちに追いつき、次々とオーバーテイクしていきました」
けれども、やがてNo.15のマシーンはパワーを失い、リタイアに追い込まれることとなる。「オリオール・セルヴィアとバトルになって何度もサイド・バイ・サイドを演じました。そして彼をオーバーテイクした直後に突然パワーが失われ、止まってしまいました」
それでも、琢磨は物事をポジティブに捉え、2週間後に次のレースが開催されるロングビーチに向かわなければならない。もっとも、この開幕2連戦には、琢磨を勇気づけるたくさんのファクターがあった。「2戦連続でメカニカル・トラブルが発生したのは本当に残念でしたが、ポジティブな要素もありました。いくつものオーバーテイクができたのはいいことでしたが、実をいうと、たくさんオーバーテイクできるポジションはあまり好きではありません! いずれにせよ、僕たちのペースは速かったと思います。できれば、次のロングビーチもいい展開になって、今度こそ最後まで走り切りたいと願っています!」
written by Marcus Simmon
| POS. | DRIVER/TEAM | No | START | LAPS | LL | Status | PTS |
| 1 | Will Power Team Penske |
12 | 9 | 90 | 22 | Running | 50 |
| 2 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 3 | 90 | 38 | Running | 42 |
| 3 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 1 | 90 | 28 | Running | 36 |
| 4 | Graham Rahal Service Central Chip Ganassi Racing |
38 | 8 | 90 | 1 | Running | 32 |
| 5 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 10 | 90 | 0 | Running | 30 |
| 6 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 2 | 90 | 1 | Running | 28 |
| 7 | Mike Conway A.J. Foyt Enterprises |
14 | 4 | 90 | 0 | Running | 26 |
| 8 | Rubens Barrichello KV Racing Technology |
8 | 14 | 90 | 0 | Running | 24 |
| 9 | Sebastien Bourdais Lotus Dragon Racing |
7 | 17 | 90 | 0 | Running | 22 |
| 10 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 18 | 90 | 0 | Running | 20 |
| 11 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | 13 | 90 | 0 | Running | 19 |
| 12 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
28 | 11 | 90 | 0 | Running | 18 |
| 13 | Oriol Servia Lotus Dreyer & Reinbold Racing |
22 | 26 | 90 | 0 | Running | 17 |
| 14 | Ryan Briscoe Team Penske |
2 | 12 | 90 | 0 | Running | 16 |
| 15 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 5 | 90 | 0 | Running | 15 |
| 16 | James Jakes Dale Coyne Racing |
19 | 20 | 90 | 0 | Running | 14 |
| 17 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 15 | 90 | 0 | Running | 13 |
| 18 | EJ Viso KV Racing Technology |
5 | 7 | 89 | 0 | Running | 12 |
| 19 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
18 | 19 | 89 | 0 | Running | 12 |
| 20 | Simona de Silvestro HVM Racing |
78 | 21 | 89 | 0 | Running | 12 |
| 21 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 6 | 89 | 0 | Running | 12 |
| 22 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 23 | 88 | 0 | Running | 12 |
| 23 | Katherine Legge Lotus Dragon Racing |
6 | 24 | 85 | 0 | Running | 12 |
| 24 | Takuma Sato Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 16 | 52 | 0 | Mechanical | 12 |
| 25 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 22 | 45 | 10 | Mechanical | 10 |
| 26 | Alex Tagliani Team Barracuda-BHA |
98 | 25 | 0 | 0 | Mechanical | 10 |
佐藤琢磨、メカニカル・トラブルでリタイアに終わる
2012-04-01
4月1日に決勝が行なわれたホンダ・インディ・グランプリ・オブ・アラバマに16番グリッドから臨んだ佐藤琢磨はレース中にメカニカル・トラブルに見舞われてリタイアし、24位に終わった。
佐藤琢磨のコメント
「僕たちはまずまずのスタートを切りました。ふたつのコーナーないし3つのコーナーをサイド・バイ・サイドでクリアするのはいつでも心躍るものです。僕はいくつか順位を上げ、その後、レースは膠着状態となりました。最初のピットストップでファイアストーンのプライマリー・タイアを装着してから、僕たちはマシーンのバランスに苦しめられるようになります。次のスティントに向けてファイアストーンのオルタネート・タイヤに履き替えるとハンドリングは大幅に好転し、ライバルを次々とオーバーテイクできました。そうして徐々に順位を取り戻していきましたが、あるとき、突然パワーを失ってしまったのです。2戦連続でメカニカル・トラブルに見舞われたのは残念でしたが、今週末もポジティブな収穫がありました。次戦のロングビーチでは再びコンペティティブになり、しっかりと完走できることを期待しています」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより
| POS. | DRIVER/TEAM | No | Time | Speed |
| 1 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 01:10.4768 | 117.485 |
| 2 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 01:10.5222 | 117.410 |
| 3 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 01:10.5291 | 117.398 |
| 4 | Mike Conway A.J. Foyt Enterprises |
14 | 01:10.8791 | 116.819 |
| 5 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 01:11.0759 | 116.495 |
| 6 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 01:11.3740 | 116.009 |
| 7 | EJ Viso KV Racing Technology |
5 | 01:11.5257 | 115.763 |
| 8 | Graham Rahal Service Central Chip Ganassi Racing |
38 | 01:11.5841 | 115.668 |
| 9 | Will Power Team Penske |
12 | 01:12.0098 | 114.984 |
| 10 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 01:14.2839 | 111.464 |
| 11 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | No Time | 0 |
| 12 | Ryan Briscoe Team Penske |
2 | No Time | 0 |
| 13 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | 01:10.6512 | 117.195 |
| 14 | Rubens Barrichello KV Racing Technology |
8 | 01:10.5664 | 117.336 |
| 15 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 01:10.6851 | 117.139 |
| 16 | Takuma Sato Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 01:10.6111 | 117.262 |
| 17 | Sebastien Bourdais Lotus Dragon Racing |
7 | 01:10.7255 | 117.072 |
| 18 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 01:10.6749 | 117.156 |
| 19 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
18 | 01:11.5524 | 115.719 |
| 20 | James Jakes Dale Coyne Racing |
19 | 01:10.7526 | 117.028 |
| 21 | Simona de Silvestro HVM Racing |
78 | 01:11.5721 | 115.688 |
| 22 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 01:11.3594 | 116.032 |
| 23 | Alex Tagliani Team Barracuda-BHA |
98 | 01:12.5778 | 114.084 |
| 24 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 01:11.8672 | 115.213 |
| 25 | Katherine Legge Lotus Dragon Racing |
6 | 01:13.6457 | 112.430 |
| 26 | Oriol Servia Lotus Dreyer & Reinbold Racing |
22 | 01:13.3349 | 112.907 |
佐藤琢磨、トラフィックに妨げられてバーバーの予選は16位に終わる
2012-03-31
佐藤琢磨のコメント
「霧のためにセッションがキャンセルされ、昨日より行なった変更の影響を確認できなかったため、予選は厳しいものになりました。今日はレーシングスピードで走ることなく、いきなり予選に臨みましたが、ファイアストーンのレッド・オルタネート・タイアはグリップ力が高いもののライフは短く、このためアタックは2周で終えなければいけませんでした。ところが、僕がコースインしてスピードを上げているとき、最初のラップでトラフィックに引っかかってしまい、どうにもできませんでした。マシーンのバランスが素晴らしいとは言えませんでしたが、ラウンド2には進出できたはずだったので、オーバーテイクが難しいこのコースで上位グリッドが得られなかったことはとても残念です。レースではタイアマネージメントがとても重要になると思われるので、明日のウォームアップではレッドタイアとプライマリーのブラックタイアの違いを見極めることが非常に重要になると思います」
ジェリー・ヒューズ(レースエンジニア)のコメント
「昨日行われたドライコンディションのプラクティス1では大きく前進し、ウェットのプラクティス2ではマシーンのバランスを把握できたので、マシーンのバランスや全体的なパフォーマンスについてはまずまずの自信を抱いて予選に臨むことができました。今朝のセッションでほんの少ししか走れなかったり、まったく走れなかったりというのは、誰にとっても同じことでした。予選で前を走っていたマシーンが遅く、本来であれば我々に道を譲るべきところをそうしなかったためにアタックのチャンスを逃したことは残念ですが、この苦難を乗り越え、明日を前向きに捉えることが大切だと思います。私たちがやらなければいけないのは、明日のウォームアップまでにいいクルマを作り上げ、ドライバーが力強くレースを走れるように準備することです」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより
| POS. | DRIVER/TEAM | No | Time | Speed |
| 1 | Will Power Team Penske |
12 | 01:11.2886 | 116.148 |
| 2 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 01:11.5010 | 115.803 |
| 3 | Takuma Sato Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 01:11.5608 | 115.706 |
| 4 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 01:11.5884 | 115.661 |
| 5 | Rubens Barrichello KV Racing Technology |
8 | 01:11.6028 | 115.638 |
| 6 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | 01:11.6263 | 115.600 |
| 7 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 01:11.6800 | 115.513 |
| 8 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 01:11.7015 | 115.479 |
| 9 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 01:11.7415 | 115.414 |
| 10 | Graham Rahal Service Central Chip Ganassi Racing |
38 | 01:11.9529 | 115.075 |
| 11 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 01:12.0320 | 114.949 |
| 12 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 01:12.0564 | 114.910 |
| 13 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 01:12.0826 | 114.868 |
| 14 | Mike Conway A.J. Foyt Enterprises |
14 | 01:12.1934 | 114.692 |
| 15 | Ryan Briscoe Team Penske |
2 | 01:12.2151 | 114.657 |
| 16 | Sebastien Bourdais Lotus Dragon Racing |
7 | 01:12.4818 | 114.236 |
| 17 | James Jakes Dale Coyne Racing |
19 | 01:12.5018 | 114.204 |
| 18 | EJ Viso KV Racing Technology |
5 | 01:12.5042 | 114.200 |
| 19 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
28 | 01:12.6237 | 114.012 |
| 20 | Simona de Silvestro HVM Racing |
78 | 01:12.7388 | 113.832 |
| 21 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 01:13.0897 | 113.285 |
| 22 | Alex Tagliani Team Barracuda-BHA |
98 | 01:13.4746 | 112.692 |
| 23 | Oriol Servia Lotus Dreyer & Reinbold Racing |
22 | 01:13.4960 | 112.659 |
| 24 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
18 | 01:13.9034 | 112.038 |
| 25 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 01:14.5717 | 111.034 |
| 26 | Katherine Legge Lotus Dragon Racing |
6 | 01:16.3147 | 108.498 |
バーバーのプラクティスで総合3位、ウェットのセッションではトップに立つ
2012-03-30
佐藤琢磨のコメント
「とても手応えのある1日でした。2月にここでテストをしたときよりもマシーンに対する理解はずっと深まっています。2月に比べると今日はずっと暖かく、このためマシーンの感触も大きく変わっていました。マシーンのバランスにはまずまず満足で、午後にはさらに煮詰めていけると期待していましたが、残念ながら2回目のセッション途中で雨が降り始めたため、ほんの数周しか走りませんでした。セッションとセッションの間にセッティングを変更しましたが、雨のなかでもいい感触が得られたので、明日は強力なパッケージを手に入れられると考えています」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより
