ついにやった! 佐藤琢磨がIZODインディカー・シリーズで2度目の表彰台に上ったのはエドモントンでのこと。しかも、今回はシーズン序盤のサンパウロで得た3位よりもひとつうえにあたる2位を、空港の一部を利用したサーキットで獲得したのである。
それにも増してよかったのは、今回、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのダラーラ・ホンダと琢磨の組み合わせが本当にコンペティティブだったことにある。琢磨は、コーションが一度も出なかった今回のレース中、ずっとトップグループの一員として走り、チェッカードフラッグが振り下ろされるまでエリオ・カストロネヴェスにプレッシャーを与え続け、ブラジル人ドライバーとわずか0.8367秒差でフィニッシュしたのだ。
コースレイアウトはともかく、いたるところがバンピーでまったく息を抜くひまのないこのサーキットを、琢磨はまるで飛ぶように駆け抜けていった。草原がどこまでも広がるカナダ・アルバータ州に建つこのコースは、これまでも琢磨との相性がいつもよかった。スーパーアグリからF1に参戦していた当時、琢磨が驚くべきパフォーマンスを披露したのはアルバータよりはるか東のケベック州でのことだったが、ゲンがいいことに関してはエドモントンも負けてはいなかったのである。
「実際に走り始めてみるまで、自分たちがどのくらいコンペティティブかは読めませんでした」と琢磨。「でも、できれば去年と同じくらいコンペティティブだったらいいと期待していました。ここまでのレースを振り返ってみると、僕たちのチームは特にバンピーなストリートサーキットを得意としてきました。現在のエドモントンは、ヘビーブレーキを必要とするとてもスムーズな新しいセクションと、ものすごくバンピーな古いセクションを混ぜ合わせたレイアウトとなっているので、おそらく上手くいくだろうと考えていました」
「プラクティスは取り立てていいところがなかったものの、まずまずの滑り出しでした。僕たちのバランスはまるで的外れということもありませんでしたが、純粋な意味でのスピードとグリップレベルはもう少し良くなって欲しいと願っていました。順位はトップ10に近いところにいたものの、完全に満足というわけではありませんでした。このコースが初めて用いられたのは2011年のことで、したがってチームは新しいレイアウトでレースをした経験がまだなく、したがってギアレシオや車高など、まずは基本的なセットアップから手をつけなければいけませんでした。ただし、状況がよくなっていくことはわかっていたので、僕はあまり心配していませんでした」
「土曜日のプラクティスでは初日からの進歩が確認されたので、まだ未完成のセットアップを引き続き仕上げていくことにしました。これが予選直前には“それなりによく”なっていたので、あとは、予選まで試すことができない“レッドタイア”を履いたときの仕上がり具合がどうなるかにかかっていました」
結果的に予選でのパフォーマンスは素晴らしいものになった。琢磨は予選グループ3番手となり、予選第2セグメントへの進出を決めた。このセッションはウェットとなり、琢磨は2番手以下をなんと0.5秒も引き離す素晴らしいタイムを残した。琢磨がキャリアの初期をイギリスで過ごしたことを、皆さんお忘れではなかろう! そして、ほぼドライとなったファイアストン・ファストシックス・シュートアウトでは4番手となったが、ライアン・ハンター-レイにペナルティが科せられたため、琢磨は3番グリッドからスタートすることになった。昨年、このサーキットでポールポジションを獲得して以来の好ポジションである。
「雨は大好きです!」と琢磨。「ヘルメットバイザーに雨粒が落ちてきたとき、僕はニヤリとしました。このようなコンディションで走ったドライバーはひとりもなく、僕らは未知の領域に足を踏み入れようとしていたのです。サーキットの一部はとても滑りやすかったものの、僕にはまったく問題はなく、楽しんで走ることができました。セッションのほとんどで他のドライバーを1秒近く引き離していましたが、次第にコースが乾き始めたため、最後の2、3周で差を詰められることになりました」
「本当は、そのまま雨が降り続いてくれればよかったのですが、予選第3セグメントは期待したよりも路面がかなり乾いてしまいました。Q3を迎えるまでの5分間でできることはかなり限られているので、僕たちは引き続きウェットセットアップを施したまま、第1セグメントで使用したオルタネート・タイアを履くことにしました。でも、できればもう少しだけスピードが欲しかった。僕は全力を投じましたが、充分に速いとは言い切れませんでした」
決勝レースでは、アレックス・タグリアーニが密かに忍び寄り、ターン1への進入で琢磨を追い抜いていったので、3番手のポジションはあまり長続きしなかった。けれども、琢磨はすぐさま反撃を開始。ヘアピンコーナーとなるターン5の進入でライアン・ブリスコーのインサイドを鋭くつくと、3番手のポジションを取り戻したのである。これ以降、琢磨はトップのタグリアーニと2番手のダリオ・フランキッティを最初のピットストップまで追い続けることになったが、それまでの間、3台の間隔は2秒以内に収まっていた。
「タグリアーニはすばらしいスタートを切りましたね! 他のドライバーも、本来のアクセレレーション・ポイントより早めにダッシュし始めたのに対し、僕はすぐにこれに対抗することができず、平均的なスタートとなりました。けれども、ターン1を過ぎると僕がライアンに襲いかかり、ターン5の進入で前に出ました」
「イエローが出れば状況は少し変わるものの、2ストップで走り切るには燃費を稼がないといけないことはわかっていました。このため、最初の数周でレースは落ち着き、僕はダリオに続いて走ることに満足していました。そして燃費走行へと移って行きます。燃費走行という言葉はあまりエキサイティングに響かないかもしれませんが、ブレーキングやコーナリングには相当気を遣わなければいけないので、決して簡単ではありません。全くもってのんびり走ることとは異なり、高い速度を維持したまま1インチたりとも妥協するわけにはいきませんし、それを毎周、完璧にこなさなければいけないのです。僕は手順に従ってダリオを追走していましたが、チームは僕の燃費にとても満足していました。すべては、どれだけピットストップを引き延ばせるかにかかっていたのです。ピット作業を行なうとき、トップ4台は同時にピットロードに飛び込みました。これで一旦リセットし、また走り始めます。そう、最初からすべてやり直しです!」
このピットストップまでカストロネヴェスは4番手につけていたが、ここで琢磨がファイアストンのブラックタイアを履いたのに対し、ブラジル人ドライバーはオルタネートのレッドを装着。カストロネヴェスは素早く琢磨を攻略すると、続いてフランキッティをパスし、残るはタグリアーニただひとりとなった。そして琢磨は、最高のエンターテイメントを繰り広げるトップ3の直後につけていた。
ここで、レースは一旦、小康状態となる。「このスティントは、燃料をセーブしていたダリオが徐々にスライドを始めるという、とても興味深いスティントになりました」と琢磨。「僕は、きっとチャンスがやってくるだろうと思っていました。そして、それがやってきたとき、僕はプッシュ・トゥ・パスとスリップストリームを最大限生かして追いつき、今回はインディ500のときとは異なり(!)2台並んでターン1を通過することに成功しました。」
第2スティント半ばの37周目、琢磨は次第にタグリアーニとカストロネヴェスを追い詰めていく。そして勝敗を決するかもしれない2回目のピットストップが近づいたとき、3台の間隔は1.5秒と離れていなかった。
カストロネヴェスがピットストップを行なったのは51周目。次の周、タグリアーニと琢磨がこれに続いた。ふたりはブラジル人ドライバーの直後でコースイン。その2周後、琢磨はターン5でカナダ人ドライバーのインサイドに飛び込み、2番手に浮上する。あとはカストロネヴェスを追うだけだ。
「エリオのピットストップで、ペンスキーのスタッフは素晴らしい仕事をしました」と琢磨。「タグと僕がピットに飛び込んでからコースに戻ると、僕たちはエリオと並んでターン1に進入する形になりました。この時点で、彼の優勝は決まったも同然となりました。アレックスを仕留めると、続いてエリオに照準を合わせましたが、このとき、エド・カーペンターの行為には本当に腹が立ちました。彼はエリオにはすぐに進路を譲ったのに、僕が追い越そうとするとひどいブロックをしてきたのです。これでタイムをロスしてしましたが、そこからエリオを再び追い上げることができたのは、強い自信に結びつきました」
「僕たちのペースは速かったけれど、エリオはタイアとプッシュ・トゥ・パスを温存し、レースの流れを掌握していました。僕のプッシュ・トゥ・パスは120秒中残り50秒となっていましたが、彼はまだ70秒も残していたのです」
「残り15周でエリオに追いついてから、僕たちは予選アタックのような走りでフィニッシュまで走り切りました。エリオは僕を引き離すのにプッシュ・トゥ・パスを使ったり、僕が使うとこれに対抗してプッシュ・トゥ・パスを利用していました。このバトルは最高に面白かったけれど、スピードの点では彼にはかないませんでした。僕は全力を尽くしましたが、とても難しい状況でした。僕は慎重にプッシュ・トゥ・パスを使ったものの、それでも最後には使い切ってしまいました。大切なのは、彼にプレッシャーを与え続け、バックマーカーに追いついたりミスを犯したりするのを待つことです。けれども、彼は一度もミスを犯しませんでした」
「とにかく素晴らしいバトルでした。僕にとってはやや残念でしたが、見事な働きぶりをしてくれたチームのことを思うととても嬉しい気持ちになります。インディ500以降、僕たちは何度か不運な状況に陥りましたが、再び表彰台に上ることができたので、チームのモチベーションを高め、自信を与えるには最高の結果だったと思います」
さて、次戦は? 8月5日にミドオハイオで開催される。ここは琢磨が得意とするサーキットであるというだけでなく、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが本拠を構える場所でもある。「ボビー・レイホールのベースはオハイオ州のコロンバスにあるので、きっとたくさんの友人が集まってパーティをすることになります。だから、僕たちにとってはとても大切な一戦となります。しかも、今週はここでテストを行なう予定になっているのも嬉しいことです。シーズン前のテストを除くと、ここまでロードコースではまともなテストをまだ1度もしていません。しかも、僕のエンジニアは元スーパーアグリのジェリー・ヒューズで、インディカーの世界ではまだ“新人”です。おまけに、チームはここ数年、フル参戦をしたことがなかったので、ライバルたちに追いつく素晴らしい機会になるでしょうし、間違いなく多くを学ぶことになるでしょう。このテストはレースに向けたとても大切な準備になるので、いまは好天に恵まれることを祈るばかりです」
written by Marcus Simmon
POS. | DRIVER/TEAM | No | START | LAPS | LL | Status | PTS |
1 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 5 | 75 | 22 | Running | 50 |
2 | Takuma Sato Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 3 | 75 | 0 | Running | 40 |
3 | Will Power Team Penske |
12 | 17 | 75 | 3 | Running | 35 |
4 | Graham Raha Service Central Chip Ganassi Racing |
38 | 8 | 75 | 0 | Running | 32 |
5 | Alex Tagliani Team Barracuda-BHA |
98 | 4 | 75 | 49 | Running | 32 |
6 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 1 | 75 | 0 | Running | 28 |
7 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
28 | 11 | 75 | 0 | Running | 27 |
8 | Ryan Briscoe Team Penske |
2 | 2 | 75 | 1 | Running | 24 |
9 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
18 | 10 | 75 | 0 | Running | 22 |
10 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 18 | 75 | 0 | Running | 20 |
11 | Mike Conway A.J. Foyt Enterprises |
14 | 23 | 75 | 0 | Running | 19 |
12 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 9 | 75 | 0 | Running | 18 |
13 | Rubens Barrichello KV Racing Technology |
8 | 7 | 75 | 0 | Running | 17 |
14 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | 15 | 75 | 0 | Running | 16 |
15 | Sebastien Bourdais Lotus Dragon Racing |
7 | 12 | 0 | 75 | Running | 15 |
16 | EJ Viso KV Racing Technology |
5 | 16 | 75 | 0 | Running | 14 |
17 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 13 | 75 | 0 | Running | 13 |
18 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 21 | 75 | 0 | Running | 12 |
19 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 19 | 75 | 0 | Running | 12 |
20 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 6 | 74 | 0 | Running | 12 |
21 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 20 | 74 | 0 | Running | 12 |
22 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 22 | 74 | 0 | Running | 12 |
23 | Simona de Silvestro Lotus-HVM Racing |
78 | 25 | 73 | 0 | Running | 12 |
24 | Oriol Servia Panther/Dreyer & Reinbold Racing |
22 | 24 | 65 | 0 | Mechanical | 12 |
25 | James Jake Dale Coyne Racing |
19 | 14 | 43 | 0 | Mechanica | 10 |
佐藤琢磨、エドモントン・インディで2位表彰台に上る
2012-07-22
本日、カナダ・アルバータ州エドモントンのシティ・センター・エアポートにおいて行なわれたエドモントン・インディの決勝において、3番グリッドからスタートした佐藤琢磨は、オープニングラップを4番手で終えたものの、すぐにライアン・ブリスコーをパスすると、3番手のポジションを守ったまま26周目に最初のピットストップを行なった。ここでは、このレースのウィナーとなるエリオ・カストロネヴェスにパスされたものの、36周目にダリオ・フランキッティを攻略して3番手に浮上。52周目に行なった最後のピットストップではアレックス・タグリアーニをパスしただけでなく、この時点で3.2秒だったカストロネヴェスとの差を0.5秒と縮めて75周のレースを走りきった。2位入賞は、3年前にインディカー・シリーズ参戦を果たして以来、琢磨にとって最高の成績である。
佐藤琢磨のコメント
「素晴らしいリザルトでした。チームのためにもとても嬉しいことだし、彼らが今日、成し遂げてくれたことを誇りに思います。とはいえ、簡単なレースではありませんでした。タグリアーニが素晴らしいスタートを決めたため、僕は4番手となりましたが、ヘアピンでライアン(・ブリスコー)をオーバーテイクしてまずは3番手に落ち着きました。これはとてもよかったと思います。最初とふたつめのスティントはとにかく燃料をセーブしつつ、そのなかでできるだけ速く走りました。僕たちは自分たちの思うどおりのレースをしていました。ダリオとのバトルも最高でした。彼が全力でプッシュし、マシーンをスライドさせながら走っているのがわかりました。スライドしているのが見えたのです。そこで、チャンスを捉えて彼をパスしましたが、これも最高の気分でした。最後のスティントは非常にエキサイティングでした。最初は(アレックス・)タグリアーニと、続いてエリオとバトルをしました。エリオをオーバーテイクするチャンスを見つけ出そうとして、僕は全神経を集中させ、できることすべてを行なって走り続けましたが、残念ながらチャンスはやってきませんでした。“プッシュ・トゥ・パス”に関して言えば、エリオのほうが少し長めに使える時間があることを知っていました。僕が少しずつ使ったところ、最後の数周はエリオは必ずこれに反応するとともに、ストレートでも毎回使っていました。彼に追いつくのはとても難しい状況でした。一度、彼とかなり接近しましたが、追い抜きを仕掛けるには不十分な距離でした。5月以降、少し難しいレースが続いていましたが、これで力強く復活することができ、さらに前進できたので、続く4戦に向けては慎重に作業を進めていくことで、エキサイティングなレースにしたいと思っています。今日の2位には、本当に喜んでいます」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより
POS. | DRIVER/TEAM | No | Time | Speed |
1 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
28 | 01:17.2338 | 103.664 |
2 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 01:17.2446 | 103.650 |
3 | Ryan Briscoe Team Penske |
2 | 01:17.4238 | 103.410 |
4 | Takuma Sato Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 01:17.5526 | 103.238 |
5 | Alex Tagliani Team Barracuda-BHA |
98 | 01:17.6139 | 103.157 |
6 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 01:17.6401 | 103.122 |
7 | Will Power Team Penske |
12 | 01:27.5666 | 91.432 |
8 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 01:27.7001 | 91.293 |
9 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 01:27.8410 | 91.147 |
10 | Rubens Barrichello KV Racing Technology |
8 | 01:28.2521 | 90.722 |
11 | Graham Rahal Service Central Chip Ganassi Racing |
38 | 01:28.6737 | 90.291 |
12 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 01:28.7409 | 90.222 |
13 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
18 | 01:16.6190 | 104.496 |
14 | Sebastien Bourdais Dragon Racing |
7 | 01:16.9747 | 104.013 |
15 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 01:16.7533 | 104.313 |
16 | James Jakes Dale Coyne Racing |
19 | 01:16.9900 | 103.993 |
17 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | 01:16.9881 | 103.995 |
18 | EJ Viso KV Racing Technology |
5 | 01:16.9920 | 103.990 |
19 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 01:17.0078 | 103.969 |
20 | Oriol Servia Panther/Dreyer & Reinbold Racing |
22 | 01:17.3906 | 103.454 |
21 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 01:17.5285 | 103.270 |
22 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 01:17.5441 | 103.250 |
23 | Simona de Silvestro Lotus-HVM Racing |
78 | 01:17.9789 | 102.674 |
24 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 01:17.6918 | 103.053 |
25 | Mike Conway A.J. Foyt Enterprises |
14 | 01:18.8781 | 101.503 |
佐藤琢磨、エドモントン・インディの決勝に3番グリッドから出走
2012-07-21
本日、カナダ・アルバータ州エドモントンのシティ・センター・エアポートにおいてエドモントン・インディの公式予選が行なわれ、佐藤琢磨は1分17秒5526(103.238mph。約165.2km/h)を記録し、4位となった。ただし、予選1位となったライアン・ハンター-レイ(1分17秒2338/103.664mph。約165.9km/h)がペナルティにより10グリッド・ダウンとなったため、琢磨は明日のエドモントン・インディに3番グリッドからスタートすることになった。予選第4位という結果、そして3番グリッドからのスタートは、いずれも琢磨にとって今季最高の成績である。
佐藤琢磨のコメント
「本当に楽しい予選でした。また、チームにとって素晴らしい結果となりました。スタッフはみんなで力をあわせて最高の仕事をしてくれました。難しいレースがいくつか続きましたが、トップ6に帰ってこられたことを心から喜んでいます。とてもいいクォリファイ・セッションになりました。プラクティスの段階で、マシーンのバランスについては最高に満足していましたが、そこからさらに進化させ、ラウンド1では素晴らしいパフォーマンスを発揮できました。(ファステストタイムを記録した)ラウンド2でも何の問題もなく、ラウンド3はウェットになればいいと期待していました。けれども、ラウンド3はややトリッキーな状況となりました。一部のドライバーは、フルウェットのセットアップにドライタイア(スリックタイア)を装着しました。ほかの一部のドライバーは、おそらくドライとウェットの中間的なセットアップを選びました。また、僕を含む数名のドライバーは、天気予報を信じて早めにコースインしましたが、ポールシッターとなったドライバーを含む数名はコースインを遅らせました。でも、これには少しギャンブル的な側面があったと思います。いずれにせよ、予選4位という結果はチームの素晴らしい働きぶりで成し遂げたものです。また、2列目のイン側という、このサーキットでは絶好のポジションからスタートできることも本当に嬉しく思います。オープニングラップでは恐ろしくタイトに感じられるターン1の混乱を避けるには最高の場所です。前方のグリッドであればクリーンなスタートを切れる可能性が高いので、これは本当に嬉しいことです。レースがウェットになろうとドライになろうと、僕たちはコンペティティブなはずです。今季最高のグリッドからスタートすることが、これまでで今季最高の成績に結びつくことを期待しています」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより
POS. | DRIVER/TEAM | No | Time | Speed |
1 | Helio Castroneves Team Penske |
3 | 01:16.4920 | 104.670 |
2 | Scott Dixon Target Chip Ganassi Racing |
9 | 01:16.4947 | 104.666 |
3 | Mike Conway A.J. Foyt Enterprises |
14 | 01:16.5122 | 104.642 |
4 | Simon Pagenaud Schmidt/Hamilton Motorsports |
77 | 01:16.5391 | 104.605 |
5 | James Hinchcliffe Andretti Autosport |
27 | 01:16.5740 | 104.558 |
6 | Alex Tagliani Team Barracuda-BHA |
98 | 01:16.6505 | 104.453 |
7 | Dario Franchitti Target Chip Ganassi Racing |
10 | 01:16.6875 | 104.403 |
8 | Justin Wilson Dale Coyne Racing |
18 | 01:16.6985 | 104.388 |
9 | Ryan Hunter-Reay Andretti Autosport |
28 | 01:16.7067 | 104.377 |
10 | Will Power Team Penske |
12 | 01:16.7168 | 104.363 |
11 | Rubens Barrichello KV Racing Technology |
8 | 01:16.8078 | 104.239 |
12 | Josef Newgarden Sarah Fisher Hartman Racing |
67 | 01:16.8225 | 104.219 |
13 | Graham Rahal Service Central Chip Ganassi Racing |
38 | 01:16.8482 | 104.185 |
14 | Marco Andretti Andretti Autosport |
26 | 01:16.8999 | 104.115 |
15 | Tony Kanaan KV Racing Technology |
11 | 01:16.9230 | 104.083 |
16 | Ryan Briscoe Team Penske |
2 | 01:16.9331 | 104.070 |
17 | EJ Viso KV Racing Technology |
5 | 01:16.9715 | 104.018 |
18 | Takuma Sato Rahal Letterman Lanigan Racing |
15 | 01:16.9741 | 104.014 |
19 | James Jakes Dale Coyne Racing |
19 | 01:17.2266 | 103.674 |
20 | Charlie Kimball Novo Nordisk Chip Ganassi Racing |
83 | 01:17.2478 | 103.646 |
21 | Sebastien Bourdais Dragon Racing |
7 | 01:17.2593 | 103.630 |
22 | JR Hildebrand Panther Racing |
4 | 01:17.3555 | 103.501 |
23 | Oriol Servia Panther/Dreyer & Reinbold Racing |
22 | 01:17.4791 | 103.336 |
23 | Simona de Silvestro Lotus-HVM Racing |
78 | 01:17.8749 | 102.811 |
25 | Ed Carpenter Ed Carpenter Racing |
20 | 01:17.9263 | 102.743 |
佐藤琢磨、エドモントン・インディのプラクティスで18番手のタイムを記録
2012-07-20
本日、カナダ・アルバータ州エドモントンのシティ・センター・エアポートにおいてエドモントン・インディのプラクティス初日が行なわれ、佐藤琢磨は1分16秒9741(104.014mph。約166.4km/h)を記録し、18番手となった。トップはエリオ・カストロネヴェス(1分16秒4920/104.670mph。約167.5km/h)だった。
佐藤琢磨のコメント
「今日は手応えも感じましたが、少し不満も残りました。セッションは赤旗によって中断となり、この間にセッティングの変更を行いましたが、セッションとセッションの間でマシーンの進化を図ることはできませんでした。昨年、チームはこのレースに出走していないので、彼らにとっては今回が初めての走行となりました。昨年はマシーンの感触が非常に良好でしたが、今年はすでにそれに近いレベルまで到達していることを嬉しく思っています。全体の結果を眺めてみると、コンペティティブなドライバーが非常に多いため、自分たちが期待するほどの好成績は収められませんでしたが、これからすべてのデータをまとめ、明日に向けて改善を図るつもりです。(新しいタイヤのコンパウンドについて)全般的にいって、クルマの発生するダウンフォースは増えており、タイヤの働きも良好なので、もしもこれでパワーがもう少し大きければ、パッケージとしてのマシーンはさらに速くなり、昨年のラップタイムを上回れることでしょう。マシーンの感触は、昨年ポールポジションをとったときとほとんど変わりません。けれども、レースの世界はライバルとの比較で順位が決まるものです。その点、今日の僕たちはあまり速くありませんでした。状況を改善することが必要だと感じています」
レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングのプレスリリースより