イギリスF3 第10戦 クロフト 今まで散々な結果しか得られなかった試作品ダンパーだが、クロフトでの第10戦を前にペンブリーで入念なテストを行い、ようやく実走でスタンダードダンパーを上回るデータを得る事が出来た。今度こそ実戦での良い結果が期待できそうだ。
■7月21日 フリー走行 今日はイギリスにしては珍しく快晴で真夏のような日差しの中で午前、午後2回のフリー走行が行われた。カーリンの2台は常に好調を維持し続け、琢磨は両セッション共にトップタイムをマーク。どうやら例のダンパーも好調のようだ。明日の予選に向けて最善のスタートを切ることができた。
■7月22日 予選1回目 この日は昨日の好天から一転してイギリスらしい暗い曇り空に覆われ、気温も一気に10度近くも下がってしまった。マシンの仕上がりに絶対の自信を持つ琢磨は、セッション序盤はピットに待機して路面状況が良くなるのを待ち、残り時間が20分程になった頃からいよいよタイムアタック開始。トラフィックはイマイチだったが、2位のベンに0.358秒の大差をつけ、予定通り(かなり自信があったらしい)暫定ポールを獲得する。
■予選2回目 このセッションは他のドライバーがタイムアップしてこない限り、明日の決勝に向けてのセットアップに費やす作戦で、ユーズドタイヤで周回を重ねる。中盤にシェクターがタイムアップしてきたので、琢磨もニュータイヤを装着してアタックに出る。しかし、最初のアタックラップの途中でギヤトラブルが発生。ピットまで戻る事ができず、そのまま予選を終える事になった。結局シェクターは琢磨のタイムを上回ることは出来なかった(0.057秒差しかなかったので、ちょっとヒヤリとしたが)ので、シルバーストン以来、今季4回目のポールポジションを獲得した。しかも今回はコースレコードまで更新してしまった。
■7月23日 決勝 昨日は嫌な終わり方をしてしまったが、他のドライバーがタイヤを使い切ってしまっているのに対し、琢磨はタイムアタックできなかったかわりにタイヤを温存する事が出来たし、マシンのセットアップには好感触を得ていた(ちゃんとタイムアタックしていればシェクターを0.3秒は引き離せたはずだといっていた)ので、彼自身は特に不安は感じていない様子だった。 レースはスタートも無難に決めて、オープ二ングラップからしっかりマージンを築いて、後は完全な一人旅。しかしこんな時こそ身内の人間は不安になるもので、皆祈るような気持ちでチェッカーを待った。(今まで30分をこんなに長く感じた事はない)そして待望のファイナルラップ!琢磨はドリフトしながらチェッカーを受けた。(相変わらず派手なことを…)2位のシェクターに8秒の大差をつけての完勝だった。しかしその後、ドリフトの件でオフィシャルにお咎めを受けてしまった。レースは完璧なポールトゥウィンだったけれど、またしても無事に終わる事はなく波瀾たっぷりの週末となったのだった。 |