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第47回マカオグランプリイギリスF3 最終戦 シルバーストンGPコース
イギリスF3 第13戦 スパ・フランコルシャンイギリスF3 第11戦 シルバーストーン
マルボロマスターズ オランダ ザンドボードイギリスF3 第10戦 クロフト
フランスF3 第8,9戦 スパ・フランコルシャンイギリスF3 第8,9戦 ドニントンパークGPコース
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イギリスF3 第12戦 スネッタートン

IMAGE■フリー走行
 今回も前戦に続いて変則的なスケジュールとなったが、1週前の水曜日にテストを行い、翌週土曜にいきなり予選というのは、どう考えても運営ミスとしか思えないが、決まってしまったものは仕方ない。
 ここスネッタートンでは今季5回のテストセッションが設けられていたのだが、カーリンモータースポーツは1回しか参加せず、ペンブリーでのテストに専念していた。そのため、他のチームに比べてデータが圧倒的に不足していて、今日1日で挽回するしか方法はなく、非常に重要なテストとなった。
 テストは午前中、中古タイヤ使用時でのタイムは3番手で順調だったが、ニュータイヤを投入した時にマシントラブルが発生。それが原因でコントロール失い、コースアウトを喫してしまう。これによって午前のセッションを終える事になってしまった。マシンの修復にも時間が掛かり、午後も貴重な時間を失ってしまう。その後も不幸にも、他車のコースアウトによる赤旗や、細かいマシントラブルが多発。結局、午前中の自己ベストタイムを更新するチャンスを得られず、5番手でテスト終えることになってしまった。満足にテストをできなかった琢磨は苛立ちを隠せず、ナーバスになっていた。



■9月2日 予選
IMAGE テストが外的要因で不本意なモノになってしまった為、不安の残るまま予選を迎える事になったが、琢磨は何が何でも予選でフロントロウまでは漕ぎ着けるつもりだった。実際午前中の予選では好調で、赤旗で中断されるまでは、トップタイムだった。しかし、再開後に履いた2セット目のタイヤとセットアップが決まらず、また終盤は黄旗が出てしまい、タイムアップできなかった。しかも黄旗掲示中にタイムアップしたドライバーがいた為、6番手になってしまう。これを巡ってオフィシャルにアピールをするのだが、クラークの判断が二転三転し、最終的には何とノーペナルティという何とも不可解なジャッジが下されたのだった。午後の予選はコンディションが悪化し、順位は不変だったのだが、黄旗中にタイム更新をし、更に追い越しまでしたシェクターがノーペナルティで2番グリッドというのはどうにも納得しかねる。ワールドチャンピオンの息子なら何をやっても許されてしまうのだろうか。PPは久々にピッツォニアが獲得した。


■9月3日 決勝
 どうにも歯車が噛合わないまま決勝を迎える事になってしまったが、後は琢磨のドライビングにすべてを託すしかない。琢磨はこのオーバーテイクの難しいサーキットでは、スタートと1周目のバックストレートエンドが勝負だと語っていた。しかし、いつものようなロケットスタートはみられず、6番手のまま1コーナーへ、これはマズイ。しかし1周目の最終シケインで3番手のコーコルディが単独スピン、4番手のブルーニがそれを避けて混乱する中、うまくすり抜けて4位を得た。前を行くのはチームメイトのベン・コリンズだ。しかしベンのペースが上がらない。トップの二台はどんどん逃げて行く。琢磨は追い駆けたいのに、ベンが壁になってしまいどうにもならない。チームメイトに無理な追い越しを掛けるわけにもいかず、とにかく琢磨にはフラストレーションの溜まる展開だったろう。それは僕も同じだった。しかし琢磨は諦めずに周回を重ね、高速コーナーで間合いを詰め最終シケインで勝負に出るという危険な賭けに果敢にも挑んだ。しかし接近した時にダウンフォースを失いコースアウトしてしまう。幸い8番手ながら復帰する事はできた。前の開いた状態ではファステストラップに遜色ないペースで周回を重ね、マット・デービスに追いついた。そして周回遅れを利用して最終シケインでアグレッシブなオーバーテイクを決める。さすがにそれ以上のポジションアップは果たせず、6位でフィニッシュとなった。琢磨自身はやりきれない様子だったが、僕から言わせてもらえれば、良いレースをしたと思う。結果は残念なものになったかもしれないけれど、上を狙ってプッシュしてのコースオフだし、その後の全力の追い上げも見事だった。
IMAGE 琢磨は何があっても絶対に諦めない男だ。昔からそうやって様々な局面を乗り越えてきたし、今年も何回も逆境を覆してきた。琢磨は華々しい経歴の持ち主だからあまり知られてないが、実は短いレースキャリアの中で何回も苦境(19歳でレースを始めた頃は特に大変だった。どう考えても19歳でキャリアゼロのドライバーなんて誰も相手にしないし、実際そうだった。そんな中、数少ない理解者の元で結果を残してステップアップしてきたのが琢磨の本当のレースキャリアだ。)に立たされ、それを乗り越えてきた。もちろんドライバーとしての資質も素晴らしいモノを持っているが、この精神力無くしては、今の琢磨は存在しないだろう。今回のレースでは琢磨のドライバーとしての姿勢を再確認できた。
 次は世界屈指のドライバーズサーキットといわれるスパ・フランコルシャンでのFINAマスターズ。今度はレーシングドライバーとして最も重要なファクターである純粋なスピード(やっぱり琢磨の1番の魅力は桁違いのスピードに他ならないし)を最高の舞台で発揮してくれるはずだ。





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