Report
佐藤琢磨ファンのみなさん、こんにちは。自動車ライターの大谷達也です。昨年の12月12日に代々木の山野ホールで開催されたTakuma Club Meeting(TCM)2021の模様をリポートさせていただきます。よろしくお付き合いのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、今年のTCMのテーマはThanks for RLLR、つまり「ありがとう、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング」というわけです。琢磨クンが通算5シーズンにわたって在籍したRLLRを離れるとのニュースが飛び込んできたのは、2021年シーズンが幕を閉じてまだ間もない頃のこと。突然の報せに驚いた方も少なくなかったことでしょうが、そんなRLLRにまずはお礼をしようという心憎いばかりの企画です。
しかも、TCMの2日前にあたる12月9日には、琢磨クンが2022年はデイル・コイン・レーシング・ウィズ・リック・ウェア・レーシング(以下、DCR)からインディカー・シリーズに参戦することが発表されます。ちょっと待ってください、2日前ですよ、2日前!
もう、これって、最初から完全に企画されていたんじゃないかと勘ぐりたくなりますが、実際のところはどうだったんでしょう?(笑) ともあれ、RLLRで起きたアレコレと、DCRに移籍することになったアレコレを聞くのに最高のタイミングとなったことは間違いありません。今年も山野ホールに集まってくださった皆さん、そしてZAIKOを通じてライブ配信をお楽しみいただいた皆さんは、期待に胸を膨らませながら開演のときをお待ちいただいたことでしょう。
さて、毎回話題になるオープニングですが、今年は福田典嗣デザイナーが編集したオープニングビデオが流れた直後にステージ上が突如暗転。次に照明が灯ったときには、琢磨クンがステージの中央に立っているという演出で始まりました。「琢磨クンはどうやってステージ上にやってきたのか?」ですって。まあ、それはナイショということにさせてください(笑)。
琢磨クンに続いては、お馴染みの川崎かおりさんがMCとして登場。すぐに私もゲストとして呼び込まれ、短い挨拶を交わしてから、これも毎年恒例のダイジェストムービーが始まりました。
今年も1時間を越える長尺のダイジェストムービーでしたが、例年と大きく異なっていたのは、琢磨クンのオンボード映像が全面的に採り入れられていたことにあります。これだと、ずーっと琢磨クンのことを見ていられますし(♥)、なによりも迫力満点! バンピーな市街地コースでは右へ左へと揺さぶられ続けるステアリングとまさに格闘している様子が伝わってきたし、オーバルコースでの超高速バトルでの接近戦は手に汗を握るほどエキサイティングでした。そしてなによりも印象的だったのが、琢磨クンのブレーキングのうまさ。コーナーに向けてライバルとブレーキング競争すると、なんだか申し訳ないけれどライバルがみんなヘ○ク○に思えちゃうほど琢磨クンのブレーキングは鋭くて、スルスルって前に出て行ってしまう。しかも、琢磨クンは燃費走行もバツグンにうまいから、決勝でグングン追い上げられるのは当たり前って感じでしたよね。
そうそう、今回はV終わりで過去4シーズンの予選と決勝の結果を一覧表にして表示したんですが、これを見ると2021年は予選結果が目を覆いたくなるほど悪かったことがわかります。なにしろ、シングルグリッドが1度もなかったんですよ。にもかかわらず、トップ10フィニッシュをシーズン中に8回も達成。おまけにリタイアは1回だけだったんですから、どれだけ琢磨クンが勝負強く、また順位を上げるのがうまいのかがわかろうというものです。
これはダイジェストビデオのコーナーでもお話ししたことですが、RLLRのマシーンってタイヤにすごく優しいんですよね。だから、予選ではタイヤがすぐにウォームアップせずに、レッドタイヤに履き替えてもタイムが伸びない。いっぽうで、やはりタイヤに優しいから決勝ではラップタイムの落ち込みが小さく、これが琢磨クンの追い上げを助けたという一面もあったわけです。
「だったら、タイヤのライフが多少短くなっても、もう少しだけウォームアップ性のいいセットアップに変更すればよかったんじゃない?」 私がダイジェストムービー中にそう訊ねたところ、琢磨クンからは「そこが微妙で、ほんの少しだけセットアップを変えようとしても、おいしいところを通り過ぎちゃったりするんです」なんていう答えが返ってきました。フムフム、インディカーのセッティングは、そのくらい難しいものなんですね。
さてさて、続いてはRLLR在籍中の5シーズンを松本浩明カメラマンの写真で振り返るというコーナーです。選ばれたのは、2012年のインディ500(当然でしょ!)、2018年のポートランド(20番グリッドから追い上げて優勝!)、2019年のセントルイス(前戦ポコノで濡れ衣を着せられた翌週の雪辱戦)、2020年のインディ500(当然でしょ!)、2021年のロングビーチ(RLLRでの最後のレースでメンバー全員の記念撮影)とチームメンバーが腕を差し出した写真(みんなの指にはインディ500ウィナーだけが作れるフラッグリングがはめられている!)の計6点。それぞれについて、琢磨クンが熱い思いを語ってくれました。
そして、ここからが肝心の移籍問題(笑)。このとき初めて、琢磨クンが3チームから2022年のシートをオファーされていたという話しが披露されました。これは私も初耳でした! しかも、内1チームは押しも押されもせぬ大チームで、インディ500にも何度も勝ったチームだとか……。「っていうことは、あそこですよね?」なんていいながら、私とかおりさんは思わず顔を見合わせてしまいましたが、そのチームではなくDCRを選んだ理由も実に琢磨クンらしいものでした。その内容については、申し訳ありませんがナイショとさせていただきますね(笑)。そして残る1チームは新興チームとのこと。いずれにしても、2022年シーズンが楽しみなことには変わりありません!!!
ここで一度、場内の換気の時間を挟んでから、恒例の質問コーナーへと突入します。今年はなぜか、TAKUMA KIDS KART CHALLENGE参加者からの質問が多かったようですが、これはあくまでも偶然の結果。というか、TAKUMA KIDS KART CHALLENGE参加者たちの熱い思いが、私たち登壇者の強い関心を引いたというのが本当のところでしょうね。
皆さんからいただいた質問は「どうしたらブレーキングがうまくなりますか?」とか「ホンダ、トヨタ、ニッサンの3メーカーからスーパーGTのオファー(ただしホンダのみGT300)がきたら、どのメーカーをえらびますか?」とか、興味深いものばかり。ちなみに3メーカーからのオファーについては「たとえGT300でもホンダを選びます!」と力強く答えてくれました!
質問コーナーが終わったところで私は降壇。その後はプレゼントコーナーとなり、今回も琢磨クンがシーズン中に着用したウェア類を中心とする豪華11アイテムが、抽選で選ばれた計16名のお客様にプレゼントされました。
最後に琢磨クンから2022年に向けての抱負を語ってもらってイベントは終了。ライブ配信もここまででした。その後、会場内では松本カメラマンによる集合写真撮影(もちろん琢磨クンと観客席の皆さんも一緒!)、そして琢磨クンとの2ショット撮影会(アクリル板を挟む感染症対策を実施)を行なってイベントはお開きとなりました。
いやー、今回もほかでは聞けない話が満載で、最高に楽しかったです!
そして琢磨クンはイベントが終わるとホンダ・ウェルカムプラザに直行。F1最終戦のパブリックビューイングに出席しましたが、このレースでは劇的な結末でマックス・フェルスタッペンがタイトルを獲得しましたよねえ。さぞかし会場も盛り上がったことと思います。
それはさておき、DCRからインディカー・シリーズに参戦する琢磨クンの活躍が本当に楽しみです!
そして、2022年のTCMは新型コロナウィルス感染症のことを心配せずに皆さんが参加できることを期待したいですね!
それまで皆さん、どうか健康に気をつけて、そして琢磨クンに熱い声援を送ってください!
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!!!