Report
「みなさーん、こんにちは!」
2022年もまた、川崎かおりさんの元気な声が代々木の山野ホールに響き渡りました。そう、記念すべき20回目となるTakuma Club Meeting(TCM)が幕を開けたのです。
かおりさんの挨拶に続いて主役の佐藤琢磨クンが元気に登場。笑顔を浮かべながら「こんにちは、佐藤琢磨です!」と声をかけると、会場のボルテージは早くも急上昇していきました。
琢磨ファンにとっては毎年、恒例の光景ですが、何回見てもワクワクするし、見れば見たで心がどこかホッとするシーンでもありますよね。
ちなみに、客席に向けてかおりさんが「これまで毎年TCMに参加された方!」と訊ねると、少なくない数のお客さまが手を挙げたのには本当にビックリしました。長年、琢磨クンを応援してくださった皆さまには心より御礼申し上げます。
あ、ご挨拶が遅れました。毎年、TCMにゲストとして出演させていただいている自動車ライターの大谷達也です。今回もTCMのリポートを執筆するように仰せつかりましたので、どうか最後までお付き合いください。
琢磨君の短い挨拶に続いて私がステージに呼び込まれ、これまでのTCMの歴史を振り返るトークを行いました。このとき、私が台本になかった話題を振ると、琢磨クンとかおりさんはすぐさまこれに反応。またたくまに話が広がっていったことは、会場にいらっしゃった皆さんであればご存知のとおりです。この辺が、20年間の積み重ねなんですよねえ。いやあ、琢磨クンもかおりさんも大したものです!
さてさて、イベントの流れはおおよそ例年どおりで、続いては1時間ほどの動画でシーズンを振り返るコーナー。2022年の琢磨クンは、レース中に上位に進出する機会が多くなかったので、GAORAの中継でその走りを目の当たりにするチャンスもあまりありませんでしたが、TCMでは毎年、チームの協力を得て、チームが記録用に収録したオンボード映像を大放出!
これを見ながら琢磨クンの解説を聞くことで、「あー、あのときはこんなことになっていたんだ!」と初めて知ったファンの方々も少なくなかったことでしょう。
かくいう私も、市街地コースでの琢磨クンのステリング捌きを見てビックリ仰天しました。なにしろ、走行中はずっと、ステリングを握る両手が小刻みに揺れていたのです。その動きは目にもとまらないくらい速いもので、とても人間が操作しているようには思えなかったほどです。そこで「これって、カウンターステア?
それとも路面からのキックバック?」と琢磨クンに訊ねたところ、「カウンターステアとキックバックの両方です」という答えが返ってきました。一部キックバックが含まれていたことには私も納得しましたが、それにしてもあのスピードでカウンターステアを当てられる琢磨クンの反射神経、本当に尋常じゃないと思いました。
そうそう、ステアリング捌きといえば、ナッシュヴィルでデヴリン・デフランチェスコと接触した際にステアリングの反動で痛めた親指が、最終戦ラグナセカでのアクシデントで完全に骨折してしまったというエピソードは、ちょっと可笑しくもありましたが、インディカーレースの激しさを物語るものとして記憶に残りました。
2022年のダイジェスト動画に続いては、こちらも恒例の質問コーナーが行われました。今回はTakuma Kids Kart
Challengeに参加されたお子様から「琢磨さんはレース中のプランをどのように立てているのですか?」なんていう実戦的な質問が出るいっぽうで、ベテランのファンからは「BARホンダから2004年のF1に参戦した琢磨さんはシーズン中に何度もエンジン・トラブルに見舞われましたが、チームメイトのジェンソン・バトンにはほとんどトラブルが起きませんでした。その年は『トラブルの原因に関しては、いまはまだ言えません』と仰っていましたが、それから20年近く経ったので、教えていただけませんか?」というなんとも鋭い質問が飛び出しました。
これに対して琢磨クンは「特定のエンジン回転数を維持すると短時間でトラブルが発生することはわかっていたので、その回転域をなるべく使わないようにするなどの工夫を重ねるうち、徐々にトラブルが減っていきましたが、本当の原因はいまも不明のままです」と回答。会場内は「へー、そんなことが起きていたんだ!」という雰囲気に包まれました。
そして極めつけにユニークだったのが、「これは質問ではないんですが、ファンが勇気づけられるような応援歌を作って欲しい」という質問、じゃなくて要望(笑)。これを聞いた琢磨クンは「オオタニさんがミュージシャンなんだから、オオタニさんが作ったらいいんじゃないんですか?」とかいっていましたが、本当にどうしますか?(笑)
私ひとりではなんとも決められないので、ひとまず「多数の要望が届いた場合には制作を検討する」ということでよろしいでしょうか? 皆さんからのお便りをお待ちしています!(あ、無理に出さなくていいですからね!!!)。
質問コーナーが終わったところで私は降壇。続いてステージ上で繰り広げられたのは、こちらも恒例となったプレゼントコーナーです。今回も琢磨クンが着用済みのドライバーズシャツ(2名)を筆頭に、レーシングシューズ(1名)、レーシンググローブ(1名)、キャップ類(7名)、さらにはヘルメットバイザー(2名)をプレゼントするという大盤振る舞い。ところが、今回は20周年記念ということで、「200戦記念ヘルメットバイザー(1名)」にくわえ、な、なんとTCM史上初のレーシングスーツ(1名)までプレゼントしてしまったのには驚きました。ちなみに、最後の特別賞品ふたつは抽選ではなく、琢磨クンとのジャンケンで決めたというのも、これまたTCMならではですよね。
そして琢磨クンが挨拶をして、テレビ配信部分は終了。この後、会場では松本浩明カメラマンによる記念写真撮影、そして2ショット撮影会が行われて、イベントは無事にお開きとなりました。
オープニングから2ショット撮影終了までおよそ4時間の長丁場。琢磨クンは終始笑顔を絶やしませんでしたが、皆さんはお楽しみいただけましたでしょうか? 2023年も、同じ会場、同じ顔ぶれで皆さんとお目にかかれることを楽しみにしています。これからも琢磨クンへのご声援をどうぞよろしくお願いします!